―――2011年2月25日投稿―――――――2021年3月8日更新――――――

 

スラヴ舞曲は、ドヴォルザークがスラヴ民族の民謡や舞曲を基に作曲した舞曲集で、それぞれ8曲からなる第1集と第2集があり、トータルの連番で1~16番と呼ばれています。

 

それぞれの曲は、3分からせいぜい7分までの短いものですが、魅力的な旋律とリズムが満載の素晴らしく変化に富んだ舞曲集になっています。

 

中でも第10番はこの曲集の白眉です。 冒頭の哀愁漂う絶美のメロディは、メロディメーカーのドヴォルザークとしても屈指のものだと思います。

 

「のだめ」でも、この有名な第10番の旋律が何度か使われています。 たとえば、9話。 のだめのピアノコンクール1次予選の終了後、のだめと千秋が話すシーン
 

「先輩、いつヨーロッパに行くんですか? いつですか? 春ぐらいですか?」

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「今はオケのことがあるしそのうち考える。 お前には関係ないだろ。 いまは自分のことに集中しろ」

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「先輩は世界に行くべき人なのに。 ぐずぐずしとるんじゃなかっ! けつの穴のちいさか男たいね!」


千秋の飛行機恐怖症を催眠術で治し、千秋がヨーロッパへ行くのを手助けしたのだめ、そしてコンクールの1位を取り千秋を追ってヨーロッパに留学したいと考えているのだめ。 でもそれを千秋には言えず、いらだつのだめが少し悲しいです。

 

ここで流れてくるスラブ舞曲第10番の哀愁を帯びたメロディが、ドラマのシーンにぴったり合っています。

ドラマ「のだめ」では、この曲のほか、ブラームス交響曲3番の3楽章、木星の中間部、チェコ組曲「ポルカ」など少し悲しげな哀愁を帯びたメロディーを使うのがとってもうまいですね。

 

↓オンドジェイ・ヴラベッツ指揮/プラハ・フィルハーモニアの演奏で。

 

     

ドヴォルザーク:交響曲第8番, スラヴ舞曲/セル(ジョージ)

¥1,500

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ジョージ・セル指揮/クリーブランド管弦楽団。

ジョージ・セルの生涯最後のレコーディングにして、最高の演奏といわれる名盤です。

このCDは、交響曲第8番がメインでありスラヴ舞曲は、3番と10番が余白に入っているのですが、この10番が素晴らしい。 セルが最晩年になって、従来の鉄壁のアンサンブルに加えて、自在なテンポと情感を込めた感動的な演奏です。 10番だけ聞きたいと思ったときには、このCDを取り出します。

 

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全曲)/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 ノイマン(ヴァーツラフ)

¥1,200

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ヴァーツラフ・ノイマン指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団。

チェコの代表的指揮者であるノイマンとチェコフィルの演奏。 チェコの民族舞曲も多く含まれるこの曲は、彼らにとっては自然に体に身についた音楽なのでしょう。 表現が自然で、それでいて生き生きしています。 10番の弦の響きも美しいです。

 

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集/ドラティ(アンタル)

¥1,200

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アンタル・ドラティ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団。

ノイマンの安定的な味わいのある演奏と比べると、こちらはもう少し勢いのあるダイナミックな演奏です。 ドラティのリズム感の良さが感じられます。 ダイナミックといっても、荒さはまったく感じられず、アンサンブルの密度は高いです。 全体にテンポは速めで、スラヴ舞曲を元気の良い演奏で聴きたいという人にお薦め。


ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全曲)/フィッシャー(イヴァン)

¥3,059

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イヴァン・フィッシャー指揮/ブタペスト祝祭管弦楽団。

同じコンビのドヴォルザーク(交響曲8番、9番)が良かったので手に入れたCD。 やはりこのコンビの演奏はレベルが高いです。 現在は廃盤となっており手に入れにくいのが難点。