佐藤青南さんの恋愛ミステリ。 トリッキーな展開に引き込まれ、文庫280ページと短いこともあって、あっという間に読み終えました。 面白かったです。

 

恋愛ミステリというと、やはり乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』が思い浮かびます。 この強烈などんでん返しに比肩する作品には出会ったことがありません。

 

本作はどんでん返しの大きさでは及びませんが、意外性のある展開と伏線回収が際立っていて、なかなかの佳作だと思いました。

 

「デートしてみよっか」恋をあきらめていた僕に奈々が言った言葉。 それは上司のパワハラに悩みながら資格試験の勉強をしている冴えない僕の毎日を一変させた。

 

奈々への恋心を確信した頃、ある同僚女性から好意を寄せられるようになり、何かが狂い始める。 これは恋か罠か、それとも―ときめきと恐怖が交錯する一気読み必至、衝撃の結末が待つどんでん返し純愛ミステリー! (文庫裏紹介文)
 

主人公は、働きながら司法書士試験を目指す青年・伊東公洋28歳。 勤務している法務事務所の所長に怒鳴られながらも、真面目に頑張る姿には好感が持てます。

 

真面目で奥手な公洋に突然訪れた恋愛チャンス。 成就すればいいなーと思いつつ読んでいましたが、やがてストーリーは意外な方向に・・・そして衝撃の出来事が。

 

この後を語るとネタバレになるので言いませんが、展開の意外性とスピード感、冒頭からばら撒かれた伏線回収の数々で非常に面白く読めました。

 

ただし、ある登場人物の行動に関して「そこまでやるかなー」という違和感が残りましたね。 これを納得させるだけの心理描写があれば、もう一段上の傑作になったと思うのですが・・・