自治会で百人一首のサークルを作るので奮って参加を!というビラが入った。都合で参加はできないが、百人一首は何年か前に全て暗記したことがある。今でも最初の5文字を思い出せば(又は人に言って貰えれば)後は分るが、途中の句がアヤフヤなのも2~3首はある。
ただ、短歌は作った事が無い。俳句は以前に作った200句余りの句帳が残っているし、詩も10編余りは作っている。…俳句は情景の描写でもいいし情景から受ける感性を17音に纏めればいいので案ずるより産むが易し、という一面があって無理なく作れる。また詩は情景描写や心情の糧を表現すれば出来上がる。
これに対し短歌は単なる感性だけでは作れないし、かと言って想いの糧を字面で羅列して済む代物でもなく、五七五七七に纏めるのは並大抵の器量で成し得るものではない。いくら頭を捻っても作り上げることが出来ない。
俺という人間は不向きな事には興味を持たない。接触する前に横を向く性格である。従って「これは向かない」と思った瞬間から以後見向きもしない。だから人の短歌は読むが作ろうという気は全く起こらないのだ。
(追記)前に一度書いたかも知れない俳句の話になるが、数ある俳句の中で特に好きな句は山口誓子の「ピストルが プールの硬き 面に響き」である。泳者も観客も水面も微動だにせず、シーンと静まり返った状況下で「一発のピストルの音」を境に、泳者の激しい動きと水音と歓声で大騒音の渦が巻き起こるのである。この句から受けた感動が俳句を作るキッカケになったのかも知れない。