全ての生き物には身体の中心に魂が潜んでいる。(宇宙に浮遊する無数の魂を支配する「神」の命によって遣わされた魂のことだ。)
魂そのものは万能且つ永劫不滅の存在で、肉体の死滅と同時にそこを抜け出して本来の住処「神聖天国」へ還れば宇宙の全てを一瞬にして知る万能の力を備えていることは3年前に既述した通りである。
その魂が潜入する対象となる肉体種は無数にあるが、人間なら高い能力を発揮し、猛獣なら獰猛に他者を襲うだけだ。
この差が生じるのは、魂は肉体に潜入した瞬間から身体の中心にある「膏肓」に籠って外面に顔を出さず、表面の活動は、肉体が備えた「五感」に委ねられているためである。そしてこれが外面上の「正体」なのである。
ということは、「人間」対「猛獣」であっても、お互いの「魂同士」が対面できればツーカーで通じ合える筈だ。
それを実現する第一歩は、今の「自分」という肉体に備わった脳が、何らかの所作によって人智的思考を排除して空白の状態を作り出し、己の「膏肓」に潜んでいる「魂」を脳内に引きずり込んで邂逅することである。
その1つの手段として「禅」があると私は考えている。座禅によって「空」の境地に達し「俗」を排して「魂そのもの」の自分に変身する。
表面に姿を現わして活動を始めた「魂」は万能力を以て「猛獣の魂」を引き摺り出して通じ合うことは容易いと考えられる。…こうして見た目(外見)は相争う関係にある人間と猛獣が睦まじく相交わることとなる。
夢のようなアホみたいな話だが、魂とはそんな存在に違いないと私は考えている。