我半⑧「公務員」(16) | 獏井獏山のブログ

獏井獏山のブログ

ブログの説明を入力します。

【福井地方局勤務・2】

…5等級は1号俸が無く、2号俸が最低のランクになっている。一方、6等級で5等級2号俸に該当するのは6等級5号俸である。つまり6等級5号俸と5等級2号俸の給与が同額である。ところで、その当時の私のランクは6等級3号俸だった。昇級は年に1回、私の場合は7月1日であるが、その昇級を入れても6等級4号俸で、5等級2号俸には手が届かない。順当に行って6等級5号俸になるのは次の年の7月である。また、6等級5号俸になったからといって機械的に5等級になるとは限らない。6等級6号俸~7号俸になってから5等級の3~4号俸になる者もざらに居るのだ。

総務課長が云わんとしたのは、6等級5号俸になれば。先ず確実に5等級にする。場合によっては同年度内に特別昇級すれば来年の7月を待たずして5等級になることもあり得る。…そういう優遇措置も考えている、ということである。

 

私はその場で、①勤務期間は2年間、②年度内の特別昇級、③優先的昇格、④調停の必要に応じて何時でも大阪に帰ってきていい、という4項目について課長の確約を貰い、その旨は福井局の鈴本局長に対しても、「局」の責任に於いて徹底すると共に、次の総務課長にも引き継ぐことを約して話し合いを終えた。

 

転勤の内示はまだ発表されてなかったが、その頃私は、よく一緒に飲みに行っていた大先輩の鴫野さんの所に行って事情を話し、調停の代理人になってくれるよう依頼した。鴫野さんは二言返事で快く引き受けてくれた。次の日、休暇をとって妻と一緒に河内の実家に行き、両方の両親に報告した。私の母は「この前、東京から戻ってきたとこやのに、なんでまた遠いとこへ行かなあかんの。」と例によって心配を先に募らせたが、妻の実家で義父に話すと、「公務員になった以上は我儘云うてたらあかん。娘と孫は責任もってウチで預かる。心配せんと行ったらよろし。」と励ましてくれた。…その時妻は2か月余り先の6月に出産を控えた身重な身体だったのである。(続く)