「役人軽視ではありません…」。国土交通省が5日開いたキャリア官僚(国家公務員I種)志望の学生らを対象にした説明会に、前原誠司国交相が出席し、“受験のススメ”を説いた。民主党政権が掲げる「脱官僚主導」で学生の官僚離れに拍車がかかり、優秀な学生が集まりにくくなる事態を避けようと、「他省庁でも例がない」というトップセールスに乗り出した。

 この日、国交省内で開かれた説明会には、今年度のキャリア試験受験志望の学生ら約170人が参加した。前原国交相は政策変更の必要性を説きながら「政治主導を貫きながらも、役人の皆さまと協力しながら(政策を)実現する。(事業の)見直しには技術を持った方々が必要」と、“官僚不要論”を一(いつ)蹴(しゆう)。「『公共事業が減るから自分の仕事が減る』というのは大間違い。日本を立て直したい、という人はぜひ国交省に」と、約30分間のスピーチを締めくくった。

 天下り批判の高まりなどで、学生の「官僚離れ」は加速。昨年度のキャリア官僚試験の申込者数は2万2千人強と、10年前の半数近くにまで落ち込んだ。さらに「コンクリートから人へ」を掲げる鳩山政権は、八ツ場(やんば)「ダムの建設中止など大型公共事業の見直しに着手。国交省には「政権交代で仕事が大きく変わり、官僚が活躍する場が狭まっているのでは」といった不安の声も寄せられていたという。人事課のある職員は「説明会には予想より多くの学生さんが集まり、手応えはありますが…」と祈るように話した。

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