厚生労働省は4月5日、「厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会」(委員長=永井良三・東大大学院医学系研究科教授)の会合を開いた。改正臓器移植法の7月施行を前に、同法に関する省令やガイドラインの策定に向けて下部組織が議論した小児からの臓器提供をめぐる課題について、各担当者が検討結果を報告。厚労省では、これらの内容を踏まえた素案を4月下旬をめどに作成する方針で、次回の同委員会に諮った上で、5月中旬にもパブリックコメントの募集を開始する。

 会合では初めに、改正臓器移植法をめぐって小児からの臓器提供を制度面から検討した「小児からの臓器提供等に関する作業班」の新美育文班長(明大法学部教授)が報告。同作業班の議論で最大の焦点となった被虐待児への対応については、「担当医だけで虐待の有無を判断せず、ソーシャルワーカー等を交えた虐待診療を通じて判断する」とし、「虐待が児童の死亡に関与していた疑いや、虐待を受けた疑いそれ自体が否定された場合には、臓器提供は可能」と結論付けた。
 続いて、小児の法的脳死判定基準について医療従事者が中心になって研究を進めたグループが、脳死下臓器提供者から被虐待児を除くためのマニュアルを発表。マニュアルでは虐待の可能性が疑われるケースについて、▽新旧の複数の外傷などを見つける「虐待に特徴的な皮膚所見」▽交通事故以外で発生した硬膜下血腫などを見つける「頭部CT」―など5つのカテゴリーで18項目にわたるチェックリストに照らし、その結果によって取るべき対応方法をフローチャートに示している。

 これらの報告に対して委員からは、「虐待の疑い例を、疑いなしと判断するところは極めて重要。より慎重な議論が必要」「脳死判定は、虐待対応の人も加わったチーム医療であるべき」などの声が上がり、医療現場の虐待をめぐる判断や対応については、次回も議論を継続することになった。


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