不都合な彼女

うちがしてきた

傲慢で、利己的で、馬鹿がつくほど偽善的な

誰の為の恋なのか分からなかったけど、終わらせるのがかった恋。

Amebaでブログを始めよう!

武田麻子

武田麻子の第一印象は


(ああ、同類だ。)


だった。

そう思った瞬間、嬉しかった感情は半減し、どうでもいいや的な感情が生まれた


「は、はじめまして!」


「あれ?よく、図書館に着てくれる人だよね?」


唯子が楽しそうに言った

うちは同類だと思った感情を閉じた

比較して、自分の汚さが際立ったから


「そういえば、そうだね、 ア、うち、飯森柚月。よろしく~」


「わたしは、蜂屋唯子です。」


「わ、わたしは・・・あの・・・武田・・・麻子  です。」


うちは、図書部に入って、貸し出しをしていくうちに

“愛想”を覚えたことを始めて知った。

うちは武田麻子に対し満面の笑みで「よろしく」と言った。

+1

笑い方を思い出しても

うちはそれを幸せとは思わずに

目の前にある不幸に酔いしれていた


クラスで疎外され

一人涙を堪えて

愛想笑を浮かべながら

苦しいって言葉を飲み込んでいる


可哀想な私

哀れまれるべき私

うちはそんな私に酔っていた。



図書館が日常に組み込まれていく。

じっくりと静かに侵食していくように

図書館が私の日常になっていく

そんなある日のことだった

谷先生が私のところにやってきて


「飯森さん、あのね、図書部一人増えたのよ。仲良くしてあげてね。」


うちは正直に嬉しかった

友達が増える

そう素直に嬉しかった


「えっと・・誰ですか?」


「隣の組の 武田麻子(たけだ あさこ)ちゃんよ。」


・・・・誰?


今日始めて武田さんと会う。

その場所もやっぱり図書館で

メンバーが増える+1

避難場所

それから私達はご飯を食べた後図書館へ行くというのがお決まりになっていた

図書館の雰囲気が気に入ったとか

居心地がいい とかはもちろんだったが

教室にいづらいから

一種の『避難場所』として

うち達は図書館に入り浸った


始め戸惑ったパソコンでの貸し出しは

1週間もしないうちに

先生しか利用してはいけない裏の操作まで出来るくらいの腕になっていた


うちの図書館での過ごし方は

カウンターに座って

唯子と話しながら

たまーにくる貸し出し希望者に対応する


図書館でした話は

取りとめも無い話だった

お互いのこと

今までのこと

たくさん話した

そして、うち達は

たくさんお互いを知るごとに

笑いながら話すことが増えて

図書館で

たくさん笑うようになった

教室では

愛想笑を浮かべてすごす

でも

図書館では

本当に楽しくて

笑うようになっていった


笑い方を忘れそうな日々

私は

図書館という避難場所を見つけて

笑い方を思い出した。

図書部のお仕事

図書館は至って普通のどこにでもあるような図書館だった。

うちは小学生の時図書委員をしたから、貸し出しをするのは自信が有ったし

ぶっちゃけ、そういうのは 自信やらなんやらよりノリさえあれば何とかなることを知っていた。


図書館の受付スペースには人が居なかったから

一般の生徒は入ってはいけないカウンターにずかずかと入り、

カウンターの後ろにある図書準備室(図書関係の先生が居る職員室のようなもの)に顔を出した。


「(図書館の)先生」


「あ、貸し出しですか?」


ショートヘアーのキレイな先生がいた

私は 歳を当てたりするのがかなり苦手だから何歳らしいとは思えなかったが

手を見てかなりしわがあったことから

45・・50 だったかもしれないが、きれいな人だった


「ぁ、いえ、うち達、図書部です。」


「・・・・図書部?」


疑問系?


「はい、図書部に入りました。


 えっと、昼休みにここの貸し出しのお手伝いとかする部活?です」


「・・ぁ、ああ、

 何年か前にやっていただいてたやつね。」


谷先生・・・・・本当に何年か部員居なかったんですね。


「じゃ、貸し出しの仕方教えるわね。

 あ、もちろん忙しい時はこなくても大丈夫だからね。」


そして、今まで本当に適当な部員ばかりだったんですね。



・・・うちは図書委員やった、しかも図書委員長やったから

貸し出しなんてお手の物だ、対応どんとコイ・・・だ。


ただ、問題は、そう・・・・



「貸し出し方法ってパソコンなんですね。」


「そうですよ?」


小学校の時は判子だったんですよ。

逃亡

「・・・図書部は以前存在している時は何をしていたんですか?」


「ん~・・・・昼休みの貸し出しとか、部誌とか? マンガ喫茶とかもやったわねぇ~

 あとは、市立図書館のリサイクル市で本もらってきたり(無料でくれる)」


まぁ、ぶっちゃけ、雑用をやっていたわけですね。


「まぁ、好きなようにやってくれて構わないから。」


顧問はもちろん谷先生で、そしてもう一人「善原(よしばら)」せんせいだった。

善原先生はいていないようなものだったが、谷先生も同じく投げやりだった。

とりあえず、「部」として残ればよかったらしい。


「・・・と、いわれたので、蜂屋さん今日昼休み図書館に行ってみようか。」


「うん、だね。」


そうして私達は昼休み

居心地の悪かった空間   教室から逃げ出した。