<質問>

娘は今小学5年生年齢です。小学2年生から不登校になり、学校に行かさない対応を続けています。最近は家の周囲に出かけるようになっています。今日、仕事から帰宅すると、娘は運動会に出かけていました。ほどなくして帰宅して、話してくれました。
他の人に見つからないように、木の陰に隠れて運動会を一時間ぐらい見ていて泣いてしまった教えてくれました。涙を溜めて話すので、母親は娘を抱きしめました。
少し遠くて、木の陰から見ていてので、友達の演目は見えなかったけど声が聞こえていて、友達に加わりたかったけれど、それ以上近づけなかったこと。誰かに見つかるのが嫌だったことなどを話してくれました。母親は其れを黙って聞いていました。
娘は話し終えると、最近知り合いになったと娘が話していた近所の家に出かけました。そこには娘が可愛いと言っていた猫がいます。娘はその猫と遊びたかったのかも知れません。娘は未だ登校刺激に反応しているようなので、一応出かけるのを止めましたが、最近の娘は止めても無理なので、すぐ帰っておいで、と頭をなでたら、不思議な顔をして嫌だーといい出かけて行ってしまいました。
娘が泣いたのは心が辛いからなのでしょうか。

<回答>

>娘は今小学5年生年齢です。小学2年生から不登校になり、学校に行かさない対応を続けています。最近は家の周囲に出かけるようになっています。今日、仕事から帰宅すると、娘は運動会に出かけていました。ほどなくして帰宅して、話してくれました。
自分の意思で学校の運動会を見に行っています。不登校なら学校に反応をして子供を辛くするトラウマ=FCRがあるのですが、そのFCRの反応が弱まり、子供の本能である、子供の集団が好きだという機能が働き出してます。家にいる時は子供の本能の方がFCRより強かった様です。

>他の人に見つからないように、木の陰に隠れて運動会を一時間ぐらい見ていて泣いてしまった教えてくれました。涙を溜めて話すので、母親は娘を抱きしめました。
この木陰がFCRの強さとお嬢さんの子供の子供の集団を求める本能の強さとの拮抗していた場所だ、距離だと理解できます。

>少し遠くて、木の陰から見ていてので、友達の演目は見えなかったけど声が聞こえていて、友達に加わりたかったけれど、それ以上近づけなかったこと。誰かに見つかるのが嫌だったことなどを話してくれました。母親は其れを黙って聞いていました。
一応葛藤状態という言葉で説明しますが、情動の接近系の強さと回避系の強さが拮抗している場所、距離と理解できます。葛藤と書きますとその人の希望と現実が異なっていることから生じる辛さ(欲求不満葛藤)を言う場合が多いですが、この場合の葛藤とは楽しさと辛さが拮抗してい(平衡葛藤)る、つまり楽しくもなければ辛くもないという意味で、その情動の拮抗状態の姿を維持できます。

この種の相談を受ける機会が滅多にないので、私の方がびっくりしているところです。

>娘は話し終えると、最近知り合いになったと娘が話していた近所の家に出かけました。そこには娘が可愛いと言っていた猫がいます。娘はその猫と遊びたかったのかも知れません。娘は未だ登校刺激に反応しているようなので、一応出かけるのを止めましたが、最近の娘は止めても無理なので、すぐ帰っておいで、と頭をなでたら、不思議な顔をして嫌だーといい出かけて行ってしまいました。
母親と娘との間の信頼関係がとても強いという意味でしょう。娘の思いを素直に話してくれていますし、その娘の話を無条件で聞き続ける母親との姿が、伝わってきます。

>娘が泣いたのは心が辛いからなのでしょうか。
上記の方に娘は嬉しくもなく、辛くもない、状態だったと推測されます。無感覚、ボーとした状態だったと思います。そしてそこから少しでも離れると娘の本能の方が強く働き出して、子供の集団を求める本能が十分に機能をしなかったという悔しさが、涙の原因だと推測されます。