子供の心を理解するには、子供の心の成長の仕方を理解して、其れに基づいて、子供の心を理解する必要があります。子供は生まれると直ぐにその本能から周囲と関わりを持ち始めます。それが出来ない子供は生きていけません。淘汰されて、成長できない、大人になれない、子孫を残せないことになります。

ほ乳を受けながら、ほ乳をしてくれる、自分を育ててくれる大人の持つ文化を自分の情動として真似をして自分の情動を確立していきます。なぜ、真似が出来るのかよく分かっていません。脳のレベルで解明されていませんが、ほ乳類にはミラーシステムというのがあります。ただ単に見ただけで、聞いただけで、それと同じことを出来るようになります。そこには真似をしてやろうという意識的な物はありません。ただ、単純に本能から真似をして、其れを自分の物にしていきます。

それが子供の自我の基本となります。この自我は基本的に一生続きます。この時期に日本人らしさ、~らしさという性格を身につけていきます。ただし成長の過程で変えることが出来ますが、本質的に変えることは大変に難しいです。この間にミラーシステムで身につけた反応の仕方=性格と言って良いと思いますが、を変えようとすると、そのこと自体がその子どもの存在の否定になるからです。子供は生きていくことすら出来なくなります。この身につけた性格を変えるには、とても大きな喜び刺激が必要です。報償と表現します。其れを与えられるのは母親だけですが、そのためには、つまりとても大きな報償を子供に与えるには、母親自体も大きく変わる必要があります。

乳幼児を過ぎると確立した自分の情動で周囲と関わりを持ち、その繰り返しから習慣と知識を身につけて、習慣行動と言葉を発するようになります。それが子供の心の間続きます。周囲の大人が、子供の性格として理解する物になります。

大人の心になって、子供の時に身につけた習慣と情動と言葉になるだけの知識を、大人としての知識と知識からの判断で調節して、大人の持つ知識を基本とする意識行動が可能になります。