人の場合、エネルギーという概念を、二通りに使っています。

 

一つは人の体を動かすエネルギーです。体内で栄養を燃やして、実際に体を動かすエネルギーです。これを物理的なエネルギーと表現しています。実際に物理的なエネルギーを消費しているからです。

 

もう一つは、何々をしようとする心の動きです。意識的に何々をしようとする意欲です。意識しないけれど、何々をしようとする意欲です。これは単に心の動きの傾向です。これを心のエネルギーと表現します。これは情動の接近系が機能をしている心の状態です。この心のエネルギーが実際の体の動きになったときには、物理的なエネルギーを必要とします。

 

子の心のエネルギー、情動の接近系が機能をしても、物理的なエネルギーがないと、実際の行動ができません。また、情動の回避系が機能をした場合、人は荒れたり問題行動をします。これは物理的なエネルギーを利用して表現されますが、心のエネルギーから言うなら、マイナスの心のエネルギーになります。物理的なエネルギーが不足したときに、人は心の病の症状を出します。

 

つまり心のエネルギーとマイナスの心のエネルギーとは相殺する関係にあります。物理的なエネルギーはあるかないか、あるとしたらどの程度あるのか、という問題になります。

 

まず心のエネルギーがあって、それを具体的に表現するために物理的なエネルギーが用いらです。