ところが実際に大人がAの辛い経験が解決したと思っても解決していない方が多いと思った方が良いようです。それは今の教師を含めて大人がAのような心が辛い子どもの心理を知らないからです。
心が辛い子どもの心理を知らない大人の対応を受けた子どもは却ってより辛くなることが多いですから、自分を守るためによい子を演じてしまうからです。このことを念頭に置いて教師やAの周囲の大人はAに対応をする必要があります。
教師の立場から言うなら、学校内で生じた事件を放置しておくことはできません。大人の常識に沿った対応をせざるを得ません。ところが子どもの立場から言うなら、子どもの心に沿った対応をして欲しいのです。
しかし教師は子どもの心に沿った対応を知りません。心が元気な子どもでしたら、子どもの方で大人に合わせてくれる、よい子を演じてくれてそれで解決と言う場合がありますが、心が辛い子どもでは子どもの心に沿わない対応をするのなら何もしてくれない方が良いのです。
学校で経験した辛さを学校で解消できないと、その辛さを家庭に持ち帰って、家庭で解消をしようとします。ところが現在の家庭は学校化しています。家で子どもの辛い心を解消させないで、子どもに辛い学校へ子どもを押し出しています。