集中治療室って家族しか入れないんですよね。普通の病院では。

K先生のときは、「親戚です。」とウソをつきました。

大学病院では…。最初は「家族しかダメ。」と言われましたが…。

「医師からの呼び出し。」ということで特例として入ることを許されたんです。

最初、Hさんにお会いした時はギョッとしました。

ただHさんがベッドに寝ているだけ。ドアみたいなものは皆無。

それと、Hさんが明るい。集中治療室に居ながら明るいのには違和感がありました。


Hさんと話をしていたら主治医がやってきて「何とか、親と連絡が取りたい。」と言われました。

医師の説明では肝臓が危険な状態とのこと。

「このまま行くと劇症肝炎に移行する。」

Hさんのご両親は海外旅行中。だから連絡が取れない。

その上で、Hさんが「父親の携帯電話番号を知らない。」と言い張られるそうで…。

私が携帯電話を預かろうとしても拒否。

まあ、無理も出来ませんで、あきらめましたが…。


しかし…。

話をしているうちに話の脈絡が失われ始めます。

それが肝性脳症の症状でもあったのでしょう。


(以下、続く。)