「薬のネット販売全面解禁」の裏には、いかにも商売人というか…。

自分のネット会社の子会社が「薬のネット販売」を手掛けている「某プロ野球オーナー」のゴリ押しがあったわけですけど…。

最終的には、「成人向けの「劇薬」に分類される5品目はネット販売を禁止する。医療用医薬品(処方薬)から切り替えて間もない薬は、安全性を検証する3年程度はネット販売を認めない。」という玉虫色の決着になったわけですが…。

それはそれとして評価しますね。


実際は、国としてはネット販売による医療費圧縮も狙っていたわけです。

いわゆる「スイッチOTC」と言われる薬なんですけど…。

スイッチOTC⇒医療用医薬品(処方薬)を薬局で売れるようにした商品。最近では「ロキソニンS」が好例。

医薬品として処方されず、薬局で直売されたら、医療費が安くなりますから。


しかしね。やはり…。

薬はリスク(回文)なんですよ。

医療用医薬品でも「フェーズⅣ」と呼ばれる「製造販売後臨床試験」が行われるんです。

また、具体的な効果についての長期評価は、それだけの販売後期間が必要なわけで…。

薬って、完全に効果から代謝まで、完全に分かっている薬は少ないんですね。


特に危険性の高い薬を自由にネット販売するわけには行かないんですよ。

にっちもさっちも行かなくなっちゃいますから。

その意味で、私は、拙速な「薬のネット販売全面解禁」には反対だったんですね。