この夜から私は情緒不安定になった。後から考えると、生命に不安のある患者を大部屋には入れないだろう。しかし、酸素チューブと二種類の心電図が繋がる寝苦しさ。医師が来ては体の異常値を伝え薬を増やして帰る事。低い血圧。その不安感。車いすの衝撃。眠れなかった。私は意識が混乱したのだと思う。夜、私の様子を見に来た看護師に悪態をついた記憶がある。ただし、その内容や誰に言ったか。その記憶は欠落したままだ。
とにかく、私の闘病生活が、この日に始まった。そして、七月を迎えても続いているのである。