アメリカのソーシャルワーカー修士号コースも残すところ、約8ヶ月ほどとなりましたビックリマーク 2年目のインターン先は日本でいう特別養護老人介護ホーム(老人ホーム)英語では、一般的にナーシングホームです。 アメリカの一般的な老人ホームは同じ建物の中に病院から転院し、回復するためにリハビリを受ける棟と、LTC(Long Term Care)といって、長期30日以上滞在する棟、その内訳には、Skilled Nursingと言って要するに要介護点数が高く、全面介護が必要な方、一通り自分でできることは残しつつ、快適な保険制度を持っているため、自分の意思、あるいは家族との同意で長期滞在、終末を迎えることも予想しての滞在も含みます。そして、メモリーケアユニットは認知症専用の棟となってます。メモリーケアユニットは老人ホームによって、施錠型、外に出られないように特別施錠してあり、ユニット内に、認知症患者専用の中庭や外庭、レクリエーションセンターなどが設置してあるホームもあったり、今インターンでいる場所は施錠型ではなく、勝手に自由にうろうろしても大丈夫なんですが、認知症の型の中でも暴力を振るうような患者さんは受け入れられないという裏目があります。利点と不利なのはどこも同じなので、それを補うように、コミュニティーで連携するようになってます。認知症専用のホームもあります。アメリカの介護施設は色々特色がありますが、市や州の管理下に置かれているため、定期的に審査が入ります。一応、この数カ月に審査が来るという枠はわかりますが、基本的には抜き打ち審査です。一番審査が厳しいのはもちろんネグレクトや暴力行為の有無と、患者さんの満足度、不満(詳しい内容)、そして、衛生面と、薬の投与がきちんと記録されて、正しく処方されているかも徹底的に調べられます。その結果は一般に開示されるようになっており、家族など、審査結果の詳しい内容が欲しい場合は、もちろん問題なくアクセスできます。従業員も自由に閲覧できるようになっており、これは市と州の持つ権限なので、ホームが内容開示に関して、見せないとかすると、罰則があります。かなり徹底されているのが印象です。

過去に点数を引かれる原因としては、患者さんの車椅子を触った手で、食事を提供しようとしたり、メガネを触った手でそのまま食事の皿を触ったりすると、減点。いちいち手を洗うことを支持されます。介護士(こちらでは看護助手と言います)以外の人間が患者さんに食べさせる行為をすると、大減点。立場によっては、免許剥奪される可能性もあります。喉に詰まったりすることを避けるためです。後は、一度、看護師がなぜかピザを薬用の冷蔵庫に入れていて(忘れてたんだろうな〜)、それが見つかって、大問題になったことも。か〜な〜り、厳しいんです。

 

ソーシャルワーカーの立場としては、他のプロフェッショナルの方と協力し合い、患者さんのメンタルケア、身の回りの相談、ケアカンファレンス、入居の際の手続き等、保険の確認と教育、ケアに関する説明と教育など、他のプロフェッショナルがなかなかできないことを水や空気のように間に入って患者さんの入居生活を快適に過ごしてもらうために、結構回りくどいこともやります。ナースや看護助手(介護士)、PT/OTと患者さんとの間に立つことももちろんあるし、従業員同士の間に入ることもあります。患者さんのケアはもちろんですが、従業員の心のケアもすることがあります。なかなかやりごたえのある仕事で楽しいことが多いです。何と言っても、やっぱり患者さんとの会話が一番ですね。色々笑えない内容もありますが、信頼してもらえるソーシャルワーカーになれるといいなと思います。

 

アメリカのソーシャルワーカーの資格一般的には4年生大学か、修士号。ここ最近は修士号(大学院卒)が好まれます。ただ、日本と似ている場所もあって、特にソーシャルワーカー専門の資格がなくても、それに変わるような、心理学学科やカウンセリングコースを卒業して入れも仕事として、ソーシャルワーカーを名乗ることはできます。ソーシャルワーカーはあくまでも職種という点では日本と似てます。ただ、アメリカにはソーシャルワーカーやカウンセリング資格として専門学校はありません。基本的大学卒は最低条件ですが、それに変わる専門職の仕事歴があると、それでも大丈夫な場合もありますし、ソーシャルワーカー学士号、あるいは修士号取得者(既卒、卒業見込み)のみの場合も。資格ももちろん大事ですが、きちんと仕事ができるかどうかの方を重視します。決定はあくまでも面接と、最初の3ヶ月の試用期間で正式に採用される場合が多いです。お給料はというと、他の職種、修士号レベルに比べると、正直劣りますが、日本のソーシャルワーカーよりは、結構満足のいくお給料と待遇です。労働基準法は日本のそれよりも、断然厳しいので、日本のように過労で自殺というのはアメリカではあまり聞きません。過労死は日本特有です。アメリカでも過労自体はありますが、そうさせない体制が取られている会社、団体がほとんどで、過労させる企業はアメリカ人なら密告します。発言する国ですので、静かに疲れるのを待つなんてするような人種ではありません。アメリカは罰則が厳しいのは承知の上なので、わざわざ違法行為する企業はないとは言えませんが、早かれ遅かれ叩かれます。叩かれると徹底しますが、日本のように、上の首を切ればそれで終了ではなく、どちらかというと、改善策を正して、証明することを望まれます。反省のためだけに首を切るというのも日本特有です。

アメリカの職場は正直居心地がいいです。日本は上司に気を使い、同僚と競争しあい、後輩を教育するという感じですが、アメリカは、年齢や性別、出身で差別するのは違法で、どちらかというと和気あいあいな雰囲気がある職場が多いです。もちろん性格の不一致や職場のいじめなど、なくはないですが、日本よりは少ないんじゃないかと思います。10年ほど働いていますが、いじめは聞いたことも見たこともありません。性格の不一致で働きづらいということはあっても、工夫して一緒に作業するなり、他の部署へ移るなりと対策をすることで、避けられることが大半です。無理に溶け込もうとしても無理な場合もあり、基本はやはりできることはできる、できないことは、相談するなり、工夫するなりして、回避するというのが一番です。口に出して、こういうことがちょっと辛いんですけどと相談すれば、ほとんどあっさりと解決できることが多いです。私のアメリカ人に対する印象は、あまり他人のことにこだわらず、自分のことで精一杯な人が多いということです。日本人はどうしても、人が自分のことをどう思っているのかきになる人が多いと思うんですが、アメリカ人はそんなこと気にしてどうするの?という感じです。高校生や若い人にはアメリカ人にも他人の目を気にする人もいますが、20歳を越えれば、自分のこと意外、他人がどうしようが、それはそれでいいんじゃないの?と思う人が多いんじゃないかと思います。

 

ソーシャルワーカーの立場でいろんな年齢層に話を聞くことがありますが、本当に人は人、自分は自分と考える人が多いなと思います。