自分の乳がんの経験と個人的な興味が相まった結果、社会福祉への道を進んでいるんですが、アメリカでソーシャルワーカーは日本のそれよりも高学歴、高収入。ただ、アメリカ国内では、社会福祉は二の次という目で見られる事が多い中、まず言われるのは、ソーシャルワーカーは稼げないよ。という言葉。これは、日本と共通しており、日本はさらに稼げない。日本では四大学卒(福祉系)ののち、社会福祉士資格を取り、ソーシャルワーカーという役職名をもらう。それは名ばかりが一人前に聞こえて、給料は大卒で普通一般企業に就職するのと大差ない。一方のアメリカは、日本と同じく福祉系の四大を卒業後、ソーシャルワーカーとして働けるが、さらに大学院で修士号をとると、それだけで給料がアップし、役所は修士号保持者を欲しがり、学士号のソーシャルワーカーには修士号を取れというプレッシャーがかかる。アメリカは全体的に学歴社会であり、高学歴イコール高収入社会である。医療、福祉系は特にそれが重視される。

日米両国ともに、政府はしっかりとした社会福祉のシステムを見直して、高齢者、障害者、ホームレス、児童問題 (待機児童、幼児虐待、DVなど)を解決しないといけないというばかりで、いつになったら、政府は本腰をあげて社会福祉事業に予算を投入してくれるのか。。。まだですか?と思うのが、正直なところです。

つい先日まで日本に帰国してましたが、社会福祉士となった幼馴染と喋る機会があって、さらなる共通点を見つけました。現在の刑務所の犯罪者、勾留者の高齢化に伴う、刑務所施設が介護施設のようになっている現状。アメリカもここ数年ベイビーブーマー(団塊の世代)が定年を迎えての、人口高齢化で同じ問題を抱えています。老人ホームが足りないことで、病院入院後の行き先が決まらず、空いている施設間でのたらい回し。患者本人の気持ちを無視した看護体制。

私自身、アメリカで介護士として5年間働きましたが、とてもじゃないけど意識改革しようと思う上司がいない。介護士として、小さな変化を起こすことはできても、元を正さないと、すぐに元に戻ってしまう。現場にいて、痛感したのは、めまぐるしく患者が回ってくる現場で上司ですら、その日その日の仕事をこなすことで精一杯。変に変わったことを話したり、意見をすれば、頭ごなしに摘み取ろうとする。自由社会であるアメリカも蓋を開ければ、意外に変化を嫌う社会と思うことも多い。かと思いきや、会社をあげて、社会を変えようという運動には参加するという、結構矛盾する社会でもある。要は、自分に都合がいいという風に思えば、力を注ぐという性格を持ってるような。アメリカ人は基本、自分さえよければいいという考えを持つ人間が多い。まあ、それは一部の日本人にも言えるかもしれないが。。。