司法試験本番へ向けての注意点 | 予備校派のための司法試験・予備試験塾 KLOライセンス

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司法試験や予備試験の情報配信のためのブログです。
本ブログは元々個人が運営しておりましたが、今後、事務的な質問に関しましてはKLOスタッフが回答させていただく場合がございます。

過去の記事のコピーを一部修正したものになりますが、直前期の注意事項をいくつかあげます。

通常、毎年四月に紹介している記事ですが、忘れないうちにあげておきたいと思います。

なお,合格者が100人いれば100通りの合格の仕方がありますので,あくまで1合格者の意見としてお読みください。


①無理をしすぎない
この時期にありがちなのは無理をしすぎて体調やメンタル面を崩すことです。
残り数週間、睡眠時間を削って勉強したころで今の実力が飛躍的に伸びることはありません。
重要なのは今ある100の実力のうち70~80くらいを本番で出せるように体調とメンタルを整えることです。
100ある実力を105にのばしたところで30~50%しか力を発揮できなければ意味がありません。
正直なところ合格者不合格者いずれにおいても、本番で実力の80%以上を出せる人はかなり少ないと思います。
自分も本番では全く納得の行く答案が書けませんでした。それでも普段の勉強でしっかり基礎力がついていれば変な点数は来ません。

おそらく一桁合格のひとでも、自分の答案に納得いっていない部分は必ずあるでしょう。

メンタル面を整えるのも重要です。直前に勉強しすぎたり精神的に追い込み過ぎたりしてうつ状態のようになる人もいます。これは、②③④を実践することや、自分がこれまで勉強した量を思い出したり、出来の良かった答練の答案や添削コメントを何度も読むなどして気を良くし、自分は受かると言い聞かせることなどです。

それと、答練(レック、伊藤塾)で高得点をもらった答案やベタ褒めされた添削コメントだけを何回も読んで本番で書くべき答案をイメージしていました(これは各科目一通は、当日試験場にも持ち込んでいました。本番前に読んで自分の書くべき答案を最終確認しつつ、添削コメントで気を良くして本番に臨むためです。)。


※ただ,逆に本番に追い込みまくる合格者もいますからそれぞれです。受験の1・2年前から合格レベルにある自信のある人は直前に追い込む必要は絶対にありませんが。

合格ラインのレベルは決して高くないということを強く意識してください。

基本をしっかりかいて、「規範→あてはめ」を守る。ウソはかかない。

あてはめは、問題文の事実をピックアップ→自分の言葉で一言評価→「よって、(立てた規範の要件)にあたる(または当たらない)」と述べる。

覚えてきたことをひけらかすのではなく問題文としっかり向き合うこと。

問われていなことについては勝手に書かない(問われていない知識のひけらかしは悪い印象を与えるだけ)。

これを守れば合格できます。

「多くの受検生が気づかない問題点に気づき」、「深い考察力を発揮する」ような試験委員の喜ぶ答案を書こうとする必要はありません。

確実に受かるためには、多くの受験生が気づかない問題点など気づかない方が良いくらいです。

試験委員を楽しませるために答案を書くわけではありません。

試験委員が読んでてつまらない普通の合格答案を淡々と書いてくれば良いです。

皆が気づくことについて、基礎からしっかり書いてくることが肝要です。


②手を広げない
これまでやって来たテキストと過去問、論証集などをひたすら復習するだけで良いです。広げないというよりむしろ狭めるというイメージです。これまでやってないもので手を出しても良いのは過去問系(予備、旧含む)や、基礎確認系の講義やこれまで使用してきた教材に対応した講義等、知識として新しいことは入ってこないものです。知らない知識を与えられる講義は勉強した気にもなり、ウケは良いですが本試験ではよほど力が抜けている人でない限り役立たないと思いますし、下手をすれば問われていない知識のひけらかしに走る危険があります。少なくとも不合格経験者や、とにかく合格を優先したい人は新しいことはやらない方が良いです。ただ、これまで高度な演習書ばかりをやって来た人が、より基礎的な問題に立ち返るのは手を広げることにはなりませんし、書いたことのない旧や予備の過去問を書くというのは良いでしょう。

③一日一通は答案を書く
これからの時期(4月〜)は予備校の答練がありません。一日一通答案を書いて書くスピードや、手のスタミナが落ちないようにしましょう。

④択一は過去問集で
この時期からは過去問集だけで良いです。できれば、これから過去問全てを一度解いておきたいところです。民事系は過去問知識だけで高得点が取れるので必ずやってください。

9割オーバーを狙うような余裕がある人は予備校の問題を潰してもいいですが。

⑤無理に生活リズムを変えない
これは、私や工藤北斗さんが同じ考え方でした。たしか、伊藤真先生も同じようなことを旧試験の前に話していました。

これは夜行性の方なら経験済みかと思いますが夜型の人が急に昼型にしても、昼間眠くて勉強に集中出来ません。数ヶ月とかで直るものでもありません。眠気と戦いながら勉強しても効率が悪いだけなので集中できる時間に勉強すれば良いです。さすがに朝寝て夕方に起きるレベルだと問題ですが、普段お昼くらいに起きる程度なら本番だけ数時間早く起きるくらい問題ないでしょう。体調を崩して落ちてしまう人は例年いますが「夜型だったせいで落ちた」とか、「試験中眠くてしんどかった」なんて人は聞いたことがありません。

簡単にできるなら朝型にした方がいいですが、長年夜型だった受験生が急に変えるのは結構難しいです。

結局のところ、朝型にしないとマズイ!とか、眠れなかったらどうしよう、という焦りこそが不合格要因なのではないかと思います。同じ実力なら絶対に楽観的な人の方が受かりやすいと、最近、多くの受験生を見ていて感じます。そもそも、朝型だろうが夜型だろうが試験前日には緊張で眠れない人すらいます。それでも心配する必要はありません。体調を整えておけば5日間の試験くらい乗り切れますし、本番前日だけ頑張って早起きすればその日は早く眠れます。これから無理に朝型の生活にしなくても良いと思います。本番中はアドレナリンも出ますし眠くなることもないです。答練や模試でも眠くなったことはありません。眠くなる人はそもそも本気じゃないということです。

伊藤真先生がおっしゃるように、栄養ドリンクや睡眠導入剤を用いる場合は本番だけ使うのではなく答練や模試から試しておいてください。私は「カツジン28」というコスパの良い栄養ドリンク(1本500円くらい)を飲んでいまきた。風邪をひいたときもこれを飲むと治ります。3000円のユンケルスターの次くらいに効く感じです。

ちなみに、私の場合、普段は夜型でしたが、前日は軽くお酒を飲んで9時か10時くらいに布団に入り適当な時間に眠れていたと思います。2日目からは疲れているので早く寝れます。普段、お酒を飲んでいる人は試験中も普段と同じで良いと思います。

もちろん,これも生活リズムを昼型にした方がいいという人もいますので人それぞれです。勉強方法も同じですが、ここでも、自分に何が合うのかを考えず合格者一人の意見を鵜呑みにしてしまうことが一番危険です。ここまで書いてきたことも、工藤北斗さん等、他の方と合う意見もありますがあくまで私の意見ですので、自分に合わないと思うことまでここに書いてある通りに無理にやって後悔することは無いようにして下さい。