同族経営のメリット、デメリット | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

企業や社会が求める『What's人財』をテーマに、キャリアコンサルタント福井祐平の視点で書いています。


中小の同族経営企業で働く方で、将来に不安を感じて転職を決意する方は多いです。



不安を感じる主な理由は、以下の通りです。

【不安を感じる主な理由】
・人事評価制度があいまいで給料が上がらない
・将来の役職に限界がある
・事業を拡大する意識が低い
・社長の機嫌取りで昇進する人がいる
・社用車扱いで高級車を購入している
・社長の方針、性格で社内の風土が決まる
・後継ぎの素質に不安 など 



同族経営とは、日本の法人税上、上位3株主の持ち株比率が50%を超える会社のことを「同族会社」と定義しています。



日本の企業数では、全体の約95%が同族会社です。 



同族経営のメリット、デメリットは以下の通りです。 

【同族経営のメリット】
・株式買収による経営権が奪われるリスクが低い
・株式に左右されない経営ができる ・経営者一族が多くのリターンを得る
・社長交代など、経営陣の意向を円滑にできる
・次期社長候補を早期の段階から計画的にキャリア形成できる
・経営者の収入を家族に分散させることにより税金を削減できる など 

【デメリット】
・大株主の権限制限など、法的な制限が課せられる
・経営者が会社を私物化してしまう
・経営者が気に入らない社員を解雇してしまう
・「イエスマン」しか存在しなくなり、問題が表面化しない
・能力のない同族が要職につき、社員のモチベーションが下がる など 



100年以上続く同族会社は、アメリカが約800社に対して、日本は約3万社あると言われています。



日本の主な同族会社は、以下の通りです。

【同族会社】
トヨタ自動車
キャノン
リンナイ
前田建設工業
村田製作所
スズキ
タカラトミー
長府製作所
カシオ計算機
リョービ
穴吹興産
森ビル
鹿島
小学館
講談社
新潮社
大日本印刷
サントリー
伊藤園
キッコーマン
江崎グリコ
山崎製パン
大正製薬
東武鉄道
イオン
モンテローザ
コナミ
東海大学
帝京大学 など 



トヨタ自動車など大手企業で働く社員の方は、自身が自同族会社に属していると感じる方は少ないでしょう。



同族会社でも、人間関係が良好だったり、経営者への意見が通りやすい環境で不満なく働いている方もいます。



転職を考える際は、自身が将来どのようなポジションや年収を求めているのか、どのような業務を行いたいのか、ある程度明確にしてから転職活動をすることをおすすめします。

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福井祐平