日本のプロ野球クライマックスシリーズも終盤に差し掛かり、また来週にはドラフト会議もはじまります。
また今年シーズン負け無しの24勝を記録した田中将大さんが、FA権を取得しメジャーリーグへの挑戦を表明しています。
日本のプロ野球選手が主に海外の球団と年棒などの諸条件を交渉する際、代理人を通して行われます。
アーン・テレム(1954~)さんは、アメリカ出身のスポーツエージェントで、2012年にはダルビッシュ有選手の代理人も務めた方です。
アーン・テレムさんが、代理人を務めた主な選手は以下の通りです。
【代理人を務めた選手】
松井稼頭央
井川慶
五十嵐亮太
真田裕貴
松井稼頭央
松井秀喜
高橋尚成
ダルビッシュ有
岩隈久志
岡島秀樹
藤川球児
アーン・テレムさんは、大学を卒業後、ミシガン大学ロースクールで法学博士の学位を取得します。
その後、ロサンゼルスの法律事務所に勤務し、1981年からスポーツエージェントとして活躍を開始します。
現在は、ロサンゼルスに本社を持つスポーツエージェント会社「WMGマネジメント」の主任代理人を務めています。
アーン・テレムさんは、野茂英雄さんのメジャー挑戦の際、野茂英雄さんの代理人を務めた団野村さんから相談を受け、日本の球団を退団しメジャーリーグ球団と契約する抜け道が任意引退扱いであることを発見しています。
アーン・テレムさんは、32年間のキャリアで500人以上の選手を担当しています。
日本人プロ野球選手の代理人を務めるスポーツエージェントは、アーン・テレムさん以外に団野村(1957~)さんがいます。
団野村さんは、アメリカ人の父と野村沙知代さんと間に生まれ、継父として野村克也(元楽天監督)さんの元で育ち、ヤクルトスワローズにテスト生として入団していた時期があります。
団野村さんは、カリフォルニアポリー大学を卒業しており、日本語と英語が流暢に話すことができます。
スポーツエージェントの必要な要素としては、英語力と法律の知識と交渉力が必要になると思われます。
日本プロ野球選手会・選手代理人報酬ガイドラインに記載されている、代理人の報酬は以下の通りです。
【報酬事例】
<期間契約の場合>
(1) 年棒を基準とした一定金額の割合を支払う(年棒の約1~2%)
(2) 一定期間、月額で支払う(年棒の約1~2%を12分割した金額)
(3) (1)(2) に加え、別途追加報酬を支払う形態
<一回契約の場合>
(1)選手代理人を頼むことだけで支払い手数料的報酬
(2)選手契約交渉における目標を設定し、それを達成した場合に支払う報酬
アーン・テレムさんは、松井秀喜さんがヤンキースからFAとなった2009年オフも、米メディアに能力や人柄を訴えて売り込み、ヤンキース退団後、エンゼルス(2010年)、アスレチックス(2011年)、レイズ(2012年)との契約を結んでいます。
松井秀喜さんは、2005年にヤンキースと契約した際、アーン・テレムさんに自ら取り決めていた金額よりも上乗せして報酬を支払っています。
転職の際も、直接企業へ応募した場合、やはり雇用主のほうが立場が強く年収の交渉は難しいです。
人材紹介会社を経由すると、エージェントが年収の交渉も行いますので、希望年収が通りやすい場合があります。
大手の人材会社では、面談時に紹介する求人がなかった場合、その人のために求人を開拓することはほとんどありません。
私も、紹介できる企業がなかった場合、求人開拓を自ら行うか提携している人材会社に紹介できる求人があるか相談しています。
マリナーズに移籍した岩隈久志選手は、メジャー移籍の際、一度代理人を変更しています。
自分の担当となったキャリアコンサルタントとの相性が合わないと感じた時は、別のエージェントに相談に行くか、希望条件を伝えて求人情報をたくさん送ってもらえるようにすることをおすすめします。