就職活動解禁時期後ろ倒し 企業目線 | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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企業や社会が求める『What's人財』をテーマに、キャリアコンサルタント福井祐平の視点で書いています。


安倍晋三首相は、就職活動解禁時期の後ろ倒しを呼びかけ経済3団体トップ(日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会)に呼びかけ、受理されました、これにより、2016年度卒の大学生より就職活動の解禁時期が大学4年生の8月ごろから始まることになりそうです。



一方、楽天会長兼社長の三木谷浩史さんは、自身が代表理事を務める新経済連盟の加盟企業には就職活動の後ろ倒しを要請しないと記者会見で発表しています。



これにより、企業ごとに新卒採用の解禁時期が異なってくる可能性が出てきました。今回のブログでは、就職活動解禁時期後ろ倒しの影響について企業目線で書いていきます。


「就職活動解禁時期後ろ倒し 政府目線」はこちら
http://ameblo.jp/husegitai/entry-11526736217.html

「就職活動解禁時期後ろ倒し 学生目線」はこちら
http://ameblo.jp/husegitai/entry-11528022123.html



ほとんどの企業の新卒採用方法は、まず学生の母集団を形成するところから始まります。現在では、母集団の形成をリクナビやマイナビなどの新卒専用就職サイトと就職イベント、新卒専門の人材紹介会社からの紹介に頼っています。



就職活動解禁時期が後ろ倒しになると、就職サイトのエントリーの受付開始時期が遅くなり、また就職イベントの実施回数も確実に減少することが予想されます。



また、現在多くの学生が大手思考ということもあり、まずは大企業に応募する傾向があります。今まで大手企業で不採用となってから中小企業を受けるというステップを踏まないまま、就職活動時期が終了してしまうことが予想され、中小企業にとっては募集団を形成することがさらに困難になることが予想されます。



企業としては、自社が求める学生の母集団をいかに形成するか、内定までのプロセスをいかに早めるかが今後の課題となってくるでしょう。



企業も新たな母集団の形成方法として、昨年度あたりからフェイスブックやツイッターなどのインターネットメディアを活用するようになりました。



フェイスブックの活用事例として、電通では自社の新卒採用ページを作成し、社内の飲み会イベントや食堂を紹介したり、各ポジションで働く社員を紹介したり、海外留学制度を利用している社員のインタビューを掲載しています。



ツイッターの活用事例として、DeNAは自社のインターシップの案内やエントリー案内をつぶやいています。



YouTubeの活用事例として、ジャパネットたかたは自社のPR動画を配信しています。

ジャパネットたかたの新卒向けPR動画はこちら。


インターネットメディアのメリットは、学生が好きな時間にくり返しいつでも見ることができる点にあります。



現在は、母集団の形成→会社説明会→選考→内定という選考フローで行われていますが、就職活動の期間が短くなると、何度も会社に呼ぶ段階で離脱していく可能性が出てきます。しかし、インターネットメディアを活用すれば会社説明会までをネット内で完結することが可能になってきます。アメリカでは面接もスカイプで行う企業もあります。



また今後は学生の囲い込み施策として、インターンシップがよりいっそう活発化することが予測されます。


ディー・エヌ・エーでは、インターネットでインターンシップの実施を告知しています。インターシップの内容は、学生に活動資金10万円を渡し新規事業を企画し発表するものとなっています。また優勝したチームには、シリコンバレーツアーを用意しています。



グリーのインターンシップでは、長期実践型とビジネスコンテストと短期集中問題解決型の3パターン用意して、学生が活動できる期間に合わせています。



インターンシップ以外の採用方法として、サイバーエージェントでは「コード採用」をとっており、当日出したプログラミング課題を時間内に提出できたものは、面接なしで採用しています。



ネットメディアを活用していない新卒採用方法としては、製薬会社などの技術系メーカーは、大学の研究室と共同に商品の開発を行い、そのまま研究をしていた学生を採用するケースもあります。



上記のようなネットメディアを活用した環境になると、中小企業特にBtoB向けのサービスを提供している会社は母集団の形成を人材紹介会社に頼らざるを得なくなるでしょう。



新卒学生の紹介事業を行っている会社には、体育会専門会、理系専門会社、美大専門会社などもあり、自社の提供サービスと増員ポジションによっては、特化した人材紹介会社を活用すると良いかもしれません。


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福井祐平