ドナルド・E・スーパー ライフステージ | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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企業や社会が求める『What's人財』をテーマに、キャリアコンサルタント福井祐平の視点で書いています。


キャリア心理学者、コロンビア大学名誉教授のドナルド・E・スーパー(1910~1994)の理論では、キャリアには2つの理論があるといってます。



一つはキャリアの「長さ」であり、「ライフステージ(キャリアの段階)」と呼んでいます。もうひとつは「幅」であり、「ライフロール(人生の役割)」と呼んでいます。



満ち足りたキャリアであるためには、個人的な興味と能力を活かし、自分が大切だと考える価値を得られる活動をおこなってキャリアの長さと幅を満たす必要があるといっています。



本日は、ライフステージについて書いていきたいと思います。



スーパーは、職業能力開発について、個人の一般的発達の一側面であると述べており、主要な段階(人生段階)に分割することができ、ほかの段階と区別して考えることができると述べています。



そして、職業生活を成長・探索・確立・維持・下降の5段階に区分し、それぞれの段階に職業的発達課題を対応させました。



5段階に区分したライフステージとそれぞれの職業的発達課題は、下記のとおりです。


<ライフステージ>
第1期:成長期(0~14歳)
身体的成長、自己概念の形成が中心で、興味や能力の探究が始まる時期。

第2期:探索期(15~24歳)
様々な分野のその仕事やその必要条件を知る。徐々に特定の仕事に絞り込んでいき、そのために訓練を受け暫定的に仕事を試みる。

第3期:確立期(25~44歳)
ある特定の仕事にしっかりと根を下ろす。その仕事を通して責任を果たし、その職業分野に貢献し、生産的に活動し、職業的専門性を高め、昇進していく時期。

第4期:維持期(45~64歳)
確立してきた職業的地位を維持し、若い世代に負けないように、更に役割や責任を果たすために新たな知識やスキルを身につける時期。この時期の終わりには、退職に向けての、さらに退職後のライフキャリア計画を立てる。

第5期:衰退期(65歳~)
スローダウンし、すこしずつ有給の仕事から離れていく時期。これまで以上に地域活動、趣味、余暇活動を楽しみ、家族との交わりの時間を過ごすための新しいライフスタイルを形成する時期。



上記に記載した各段階ごとの年齢を現在の日本で当てはめてみると、興味や能力の探究が始まる成長期は、18~22歳ぐらいまで伸びているような気がします。



私自身、自分が将来どの仕事につきたいのか考えていたのは、高校3年次(当時18歳)に卒業後の進路を考えていた時期と、大学3年次(当時21歳)に就職活動をしていた時期になります。



また確立期や維持期ももっと早い年齢でたどり着くのではないかと思っています。



2012年10月に東証一部に上場した株式会社リブセンス社長の村上太一さんは、現在26歳(1986年生まれ)です。フェイスブックの創業者で、総資産約175億ドルを所持しているマーク・ザッカー・バーク氏は、現在28歳(1984年生まれ)です。



両者とも、すでに会社を確立、維持する段階と責任を担っているといって良いでしょう。



私の担当企業でも、人事評価制度を3ヶ月ごとに行い給与に反映させている会社があります。



ビジネスにおいては、今まで5年、10年かかっていたことが1年でできてしまう可能性がでてきました。しかし、自身の信頼や人脈、ブランドは短期間で形成することはできず、必ず年月と数々の実績が必要だと思います。



年齢を重ねてくると、毎年1年が過ぎるのがとても早く感じるようになりました。今後は、もっと早く感じるようになるかもしれません。自身のキャリア形成も、10年後だけでなく、1年や3ヶ月、1ヶ月単位でも考えていくとよいでしょう。

福井祐平



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