久しぶりの石ガツオ(ゴリガツオ) | ウッカリカサゴのブログ

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日本産魚類の仔稚魚のスケッチや標本写真、分類・同定等に関する文献情報、
趣味の沖釣り・油画などについての雑録です。

先日、スーパーマーケットで買ったカツオの柵(背)が、久しぶりの所謂「石ガツオ」で、無理して刺身で食べたが、食感および生臭さの点でとてもまずかった。

漁獲後、まだ時間のたってないモチモチの美味しいカツオを期待していたが、見事に外れた。

この石ガツオ、堅くてゴリゴリした食感からゴリガツオ、ゴシガツオ、キガツオ(木ガツオ)、大根ガツオなどとも呼ばれる。プロでも外見や触診からは見分けるのが非常に難しく、包丁で切ってみて初めて分かるもの。

「磯料理ヨット」さんのwebsite記事を参照:
https://isoryouri-yacht.com/?p=260
https://isoryouri-yacht.com/?p=3816

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以下、「一般社団法人 大日本水産会魚食普及推進センター」の website から、
イシガツオとは?まだまだ分かっていない・・・。』という記事の紹介。
https://osakana.suisankai.or.jp/s-other/5484

これまでに石ガツオについて行われた研究として、以下のものがあるという。
①1988年 石ガツオの出現状況とその特徴について アンケート調査
②1993年 カツオ異常肉「イシガツオ」の性状調査
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010502709.pdf
③1994年 異常ガツオ“石ガツオ”の発生原因に関する研究
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010542307.pdf
④2000年 異常ガツオ“石ガツオ”の発生原因に関する研究(2)
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010651938.pdf

これらのうち③の研究結果、考察から

硬さ:正常魚より明らかに硬く咀嚼すると歯にかなりの抵抗を感じた。指で押しても身が崩れないものが多く見わけられる。

匂い:生臭さ、青臭さを感じるものがあったが、正常魚と変わらないものが多く区別困難

:口中に生臭さが広がり、しばらく口中に残り、明らかに正常魚と異なっており、口で味わうと見分けられる。

:おろした時に表面に近い部分で白く変色しているものもあったが、ほとんど変わらないものが多く区別困難。

K値タンパク質変性率PH等で差がなく、漁獲方法や漁獲後の処理で発生するのではなく、生存中から出現あるいはその要因があると考えられた。

コラーゲン含量に大きな差が見られ、「石ガツオの筋肉の硬さの原因にコラーゲンが多く含まれること」が関与していると推察された(正常魚:0.4-0.8%、石ガツオ:0.6-2.5%)。
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以下、マルコ水産の website から
https://www.maruko-fish.co.jp/tuna-ishigatuo.html

筋肉の硬さとコラーゲン含有量との相関関係(コラーゲンが多いと身質が硬くなる傾向がある)が確認されているようで、漁獲方法及び漁獲後の処理方法によるコラーゲン含有に違いがないことから、生活環境(水温、摂餌状態)が関係しているのではないかと推察されているが、異臭及び味の異常の原因についてはまだ解明されていないようだ。