水戸 敏 (1994) 卵と仔稚魚その多様性.pp. 155-221, in 落合 明・本間義治・水戸 敏・林 知夫 (編),検証の魚学,緑書房,東京.
http://www.pet-honpo.com/books/marine/cultivation/4-89531-202-X/
一章 魚の初期生活史とその研究
1 生活史とは
内田先生に引かれて
初期生活史
2 浮遊性魚卵の発見
サルス教授の報告
北原多作のマダイふ化
3 魚類初期生活史の研究
先覚者たち
戦後の研究の足どり
外国での研究
二章 魚卵
1 沈む卵と浮く卵
沈性卵
浮性卵
2 卵のあれこれ
卵の特徴
ふ化酵素腺
3 分類群内の卵の異同
4 卵生と胎生
体内受精魚
特異な受精をする魚
5 産卵生態
藻に産卵
固形物に産卵
ほかの動物の体内に産卵
三章 仔・稚魚
1 仔魚と稚魚
2 いろんな形をした稚魚
3 発育にともなう形態の変化
変態
変態の戦略
4 葉形幼生
やっと見付かった変態前のシラスウナギ
葉形幼生の食性
5 カレイ・ヒラメ類の変態
眼の移動の仕方
眼の移動時間
四章 稚魚の生態と生理
1 浮遊生活への適応
表層に集まる稚魚
浮遊に適した構造
色彩の適応
2 稚魚の生活場所
沿岸と沖合
波打ち際
河口域
3 流れ藻と擬態
流れ藻
流れ藻に付く稚魚
クラゲに付く稚魚
擬態
4 食うか食われるか
餌の選択
食われないための適応
5 耳石は語る
耳石の目輸
日齢が手がかりとなって
6 鰾の発達―運命の1週間
背曲がりの原因
空気を呑んで開鰾
五章 研究の現場から
1 採集と観察の日々
2 浮性卵の観察
3 磯歩き
4 漁業者との出会い
5 シイラと師弟の縁
6 ハゼとのかかわり
7 調査航海
終章にかえて
1 再び生活史
2 稚魚研究の水産業への応用
沿岸漁業の振興
種苗の量産
問題の多い種苗放流
3 稚魚学
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四半世紀前,ある環境調査会社の技術顧問をされていた水戸先生が私の職場を訪問された際,少し話をする時間があり,卵・稚仔の生態・形態の研究に関する本の原稿を執筆中とうかがった。
そこで私は,あの詳細な魚卵のスケッチをどうやって描かれたのか等,研究の苦労話を書いてほしいとお願いした。
「五章 研究の現場から」に,その辺りのことが詳しく書かれている。
1992年12月5日 第14回稚魚研究会にて(左端から故 水戸先生,故 沖山先生)
1988年11月26~27日 職場で開催された第10回稚魚研究会にて(左端:故 水戸先生)
ダンディな水戸先生でした。
ちなみにパネルの説明をされているのは内田研究室の出身である故 待鳥精治さん。
待鳥さんから,↓の復刻版ではなく,実際の授業で使われた原版を頂いた。
●参照
富戸の波―はてなの定置網―屋根裏の書庫―分類別ライブラリー
「第142回 検証の魚学」
http://www.onsenmaru.com/book/B-100/B-142-kenshougyogaku.htm