出典:海生研ニュース第22号表紙(1989年1月)
図示したのは千葉県大原の漁港内で1988年4月3日に採集されたスズキとヒラスズキの稚魚である。出現量はスズキのほうが多いが,ヒラスズキも決して稀というわけではない。
両種の識別については,生時のヒラスズキ稚魚の体には黄色素胞が強くでているので,肉眼でもおおよその見当はつく。厳密には,仔稚魚期の種の同定は,
・尾部末端部の背・腹面の黒色素胞の分布状態,
・眼の上の鋸歯状の骨質突起の有無,
・背鰭の軟条数
などによって行う。
・眼の上の鋸歯状の骨質突起の有無,
・背鰭の軟条数
などによって行う。
5,6月頃になると夜間,漁港内の水銀灯下の表層よりもやや下層に全長3~5cmのスズキの稚魚が大群をなしているのがみられる。
若魚の頃から魚食性の片鱗がみられ,全長7cm弱のものが全長4cmものマイワシ稚魚を尾鰭を残してほとんど飲み込んでいた例がある。
-----------------------------------------------------------
記事タイトルでの種名の一覧性と自己引用の便を考慮し,本ブログの最初の3件〔仔稚魚のスケッチ(その1~その3)〕で示した種類について,種別に再掲(説明文の追加あり)したものの一つです。