(続き)
郷土に素晴らしい民話が残っていることを知ると、それに関連して取り組んでみたいことが二つ浮かんで来ました。
一つは、伝えられて来た郷土民話の再興です。
既にかなり以前から顧みられなくなってしまっている郷土民話を再び子供達や大人にも読んでもらい、その良さや楽しさを味わってもらうことです。
もう一つは、これを基にして新たな民話の展開・創造を試みるということです。
魅力的なアニメや好奇心そそられるコンピューターゲームで溢れている世の中で、民話や物語が子供達の興味を惹くことはなかなか難しいことだと思うのですが、価値ある表現内容の選択や新たな創作方法でそれらの復活を図ることはやり甲斐のある仕事だと思います。
一つ目に関してですが、
民話の中には今でも目にしたりそこに行って触れたりすることが出来る山や川、地名などがたくさん出て来ます。
そんな身近にある具体的な場所で展開されていく物語を読むことは、その地に住んでいる者だけが味わえる贅沢とも云えるものではないでしょうか?
民話の再興によって、あの山、この川、その村角が再び人々の心の中に蘇り、そこに住む者がそれらに愛着を感じるようになればこの地から離れがたくなり、先祖が暮らしたこの土地に残りここでの生活を楽しんでみようとする人が現れるかもしれません。
また、他の地に住む人の中にこの物語の良さや楽しさを感じる人がいれば、その人はこの地を訪ねたり移り住んでみたりしてみたいと思うかもしれません。
これまで民話の再興に具体的に色々なやり方で取り組んで来られたのは、この昔話集の企画・編集者の佐田保氏です。
文献を調べたり聴き取りをしたりして集めた昔話111話を、一話ごとの小冊子を作ったり、集落ごとの冊子にまとめたり、一巻の分厚い本にしたり、絵本のように広げて眺めることの出来るブックレットの分冊に組み直したりと、どうしたら多くの人に手軽に手にとって読んでもらえるかと、様々に工夫し試して来られました。
地域内や周辺の学校や図書館などに寄贈されたそれらの本は、専門のコーナーが設けられている所もあります。
地域内で行われるイベントでコーナーを設けて販売したり、商店に置いて販売を依頼したりもされて来たようです。
今後は会として、幼稚園や小学校などに出向いて出前朗読をしたり、地域案内巡りのイベント等で民話の舞台その場所で臨場感ある朗読をする機会を持つこと等を考えています。
また、このブログによる民話掲載を継続し、2巡目からは民話の後に、民話に出てくる岩や木、遺跡等を取材し映像と共に現在の姿を掲載するということも考えています。
このように民話・昔話の再興のために出来ることはまだ結構残されているようです。