18歳の時に、サド全集を神大の六角橋の古本屋で、買う。3500円。
確か。ハイライトが、40円。
そんな時代。
マルキドサド 。
精神的にも牢獄が必須と感じさせた狂気の作家。
これにて澁澤龍彦氏は有罪。
今時の作家と違って、覚悟と勇気あり。
仕送り2万。家賃5000円。風呂あり。八畳。冷蔵庫に本を入れる。
カビだらけの部屋。良く病気にならなかったなあ。
湿気。本。光の入らない部屋。六人の男性寮。女子禁止。
とにかく、働き始めたら本は読めないと覚悟して、読んだ読んだ読んだ。近くの店からビール瓶の箱を5つ もらってきて、そこに本を積み上げる。
なんか昔を思い出すことは脳にいいような気がする。
昨日 妻と掃除の中。
書庫整理をしていて、昔の平凡パンチ、プレイボーイ、などの懐かしい本を整理。
横山エミー・・特に好きなわけでもないけれど。
懐かしい思い出の女優たち。
友達もおらず、二年間も誰とも喋らず、本を読むのだけの日々。
二万円の仕送りで、5000円のボロ屋のアパート代金を払うと、残りは15000円。
それを持って、即横浜まで歩いて、二時間くらいでたどり着き、関内、桜木町、のjazz喫茶をはしごした。
そして東白楽の繁華街にあった小さな古本屋の100円のワゴン代、の中から、掘り出し物の、本を探しては、買う。
最後に中に入って、例えば、サド以外にも、ボードレール全集当時のお金で4000円六冊揃いを買うとか。
残りは、10000円。
歩いてボロ屋に帰宅。ボードレールをきちんと並べた後に、コーヒーを入れて、缶ピースを吸う。
食事は、近くの八百屋で、新鮮なキャベツ。30円。
あとは、一年間インスタントラーメン。キャベツのおかけで、健康を保てたと思います。今でもキャベツ様には頭が上がりません。
キャベツの味噌汁。
キャベツの炒め物。
キャベツのラーメン。
キャベツの生野菜。
月に、食事代は、5000円です。
最後の5000円は、本代と、コーラ、ファンタ、たまのたまに、ご馳走の卵焼き。
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壁には麻田奈美のでかいポスター。
肩までの長髪に、7センチくらいのハイヒール。なんといったか、ラッパスボンみたいなジーンズ。そして、下駄。
あまり、フォークは聞かなかったなあ。
あの頃から、Procol Harum - A Whiter Shade of Pale とか、マイルスのサマータイムなんかが好きで、映画研究会で自分で作った映画には、サマータイムをBGMにした。
その重い映写機を持って、上智大学
に通っていた親友の佐々木君のところへ遊びに行って、夜、酒を飲みつつ、二人で見た。
話題は、女のことばかり。
麻田奈美、秋吉久美子、ひし美ゆり子、水島優子、大原麗子、・・・・・・・・・・・・
孤独な青春を勇気付けてくれたのは、彼女たちでした。
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今でも女性と動物たちを描くのは、そのあたりに、原因があるのかもしれません。
欠乏、飢え、ひもじさ、それらは未来の恋を豊穣にするための種まきだったのかもしれません。