仕事に行こうとすると、故郷を去らねばならない人のような悲しさにおそわれる。都会の路地をひきずられていく、生まれて間もない臆病な仔犬と、かわりない。
仕事のあとは、疲れきって、また故郷へ戻る。灰色のおぞましい故郷へ、よろめきながら戻って行くしかないのだ。
-カフカ
確かに。
都会で故郷を離れて、コンクリートライフを送り、過酷な仕事をしているときは、家に戻るとホット安堵したもの。
まさか。
自分が、憧れの故郷岩見沢市に戻るとは、50歳の統括部長の時は、思いもしなかった。
浮間舟渡のコンクリート工場の廃墟がいたるところにあるそこで、死ぬんだなと。いつも考えていた。
雪の中で死にたい。
そんな風に考えていて、父母の介護の必須があり。早期退職をした。
いやあ。人生って、考えていることがそのままいつか実現するのかも。
悪いことは考えないように。いつも憧れの気持ちは忘れまいと思う。
題名
「放蕩息子の帰還」
インク ぺん
imagemusic 『LEON』Sting - Shape of My Heart
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