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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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「ひとつ言えるのは、どんな職業でも同じで、一緒に仕事する仲間がいる。

 どんなビジネスでも、どんなコミュニティでも、当然のことだね。

 グループなしでは、仕事は成り立たないと思っているよ」

 ――2013年 MOVIE Collection

「『マラヴィータ』ロバート・デ・ニーロ インタビューより」

古本屋日記。19

 CD DVDも扱っていますが。

 独居老人という都築響一というカメラマンが撮った写真集を見ていた。

 いやあ、実に一人で暮らす高齢老人たちは、特に男は、凄まじい。この本はその彼らの応援歌でもある。

 ふと。思い出したのは、世界が高齢化する中で、小説や映画がどう変化したのかな、ということ。

1 私が立川ルミネで仕事をしていた時に、渡辺淳一が、老人ホームの恋愛を書いたことを記憶している。

 それから10年くらいして、老人ホームでの情事絡みの殺人あり。おお、小説が現実を先走る。とおもた。

2 アン・ハサウェイと、デニーロの映画もあったな。

 一人必死に頑張る美しき女社長のアン・ハサウェイのところに、なぜか70歳のデニーロが新人として採用、アン・ハサウェイの直接の秘書のようなことをする。

  人事の諸条件とはいえ。アン・ハサウェイは最初、デニーロに冷たい態度。好きにやってて。私は忙しいの。という感じ。

  ところが、ある日、いつも彼女が気にしていた机の上のゴミの山の書類が綺麗に片付いていた。

  デニーロがやったとみんなが喜んでいる。

  人間関係の達人のデニーロ。

  どんどん、仲間たちを増やして、恋人も自然とできてしまう。そして、アン・ハサウェイの自宅にまで、出入りする車の運転手までやるようになる。

   ・・・

  というわけで。誰しもが見たと思われるこの名画「マイ・インターン」。

   FBのことが出てきます。

  「ほら、こうやってあなたの写真を入れれば、あなたはもうfacebookの仲間よ」と、アン・ハサウェイが笑うシーンあり。

    ただ必死に自分の美的センスを信じ、若者たちと、経営をするアン・ハサウェイ。次第に、家族の夫の浮気、会社を乗っ取りを図る連中との軋轢、仲間からの批判などなど。心が破れる日々。

   そんな時に、デニーロがいつも、さりげない言葉で、心のひび割れに軟膏を塗ってくれる。

   ・・・・

  高齢者はボケとか、歩けないとか、若者の気持ちがわからないとか、そんな空気ありの時代は過ぎ去り。

  今、時代の空気を描く作品が多数存在している。

3 昨日、売れた本は「海が走るエンドロール」たらちねジュン、

65歳の昼テレビもつまらんし、というフツーの女子が、美大に行って、ブルーボーイの海くんに一目惚れして、彼の映画を撮りたいと、はまっていく漫画。

  編集者のアイデアらしい。

  アン・ハサウェイとデニーロのマイインターと同じく。年が離れた故の、年上女性の寛容と自分の知らない世界に興味を持つ映画少年と、その仲間たち。そして、65歳のフツーのおばさんが、若い人たちの言葉や態度、行動に刺激されて、変化していくあたりを、ユーモアたっぷりに描く。

  おもろい。

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 「独居老人」

 この本は、これらの、世間の世界の高齢化社会の空気を含めて、女性の独身の高齢者。男性の独身の高齢者。

  彼らの凄みをよく描いている。

  月に20000円で暮らしている男性もいた。今年で100歳。

  よく妻母も、寡世帯にウジがわく、と言って笑うけれども。

  そんなゴミの中でも、彼らは気品があった。

願わくば、高齢者が若者たちからその「生命力ととんでもない発想と夢」を学び、若者が高齢者たちから、その「豊富な経験と数々の生活の智慧」を学べるような日本でありますように。