今日は引っ越しのため4:30起床。梱包が中途半端でやけのやんぱちで段ボールに放り込んだ。
マメに掃除をしてくれた母である。いつもコロコロを持って落ちた髪の毛を搦めとるような人。こんな母と暮らしていても日々のホコリは積もっていて小汚い。搬送が終わった後、あちこちが汚れているのが気になった母は、雑巾片手に曲がった腰をさらに曲げ動き回る。案の定、くたばっている。40過ぎの私でもくたばる寸前である。
こんな命がけの引っ越しだから記念として眠い目を擦りながらFBを書いてみた。今日は何もなくなった家を出るとき各部屋に感謝を伝えた。近所の神社で手も合わせた。私はこの家で母を看取りゆくゆく夫を呼び寄せバリアフリーの快適な老後を想定していた。約7年このマンションに住んだ。ずっと憧れていたマイホームを多額の金額でローンを組み購入。入居当初はこの家に毎日感謝を伝えていた。独り言のように。月日が流れ、感謝の気持ちは忘れ、家と仕事の往復で毎日が過ぎ去った。家は疲れた体を寝かせるところだけになった。北海道の転居を決めた時、マンションを手放すことをすんなりとはできなかった。ただ寝るだけの家のくせして、手放さないとならなくなると、窓から見える景色や風通しの良さ、日当たりの良さ、冬は暖かく夏は涼しく、マンション住人との培った関係性などを奪われる気がした。
先日は職場とのお別れ会、今日はマイホームとのお別れ会。明日はマイカーとのお別れ会である。ここまで大きなものを手放すと実に身軽に感じるはずだが体の疲れのせいでまだまだ身が重い。
今は駅前のビジネスホテルに母と泊っている。母は「これが人生で最後の引っ越しかな?」、「また引っ越すときが来たらお母さんは死んだ振りするぞっ。何もしねーぞっ」と言ってる。それぐらい過酷だったのだ。最後の引っ越しはあの世への引っ越しですよと言いかけてやめておいた(笑)。母は小さな赤いラジオを聴きながら眠りについたようだ。
明後日、北海道に着陸する。まずは母を休ませてやりたい。私も少しだけ、ぼけーっとしたい。猫たちを撫で撫でしながら。