SALLiAさん、日刊ゲンダイ。
年末年始にかけて、ネット上で話題となり、連日トレンドを騒がせていた「Colabo問題」が大きく動いた。
事の発端は、「暇空茜」という人物が、虐待や性被害などを受けた少女たちの支援を行い、東京都からも事業委託を受けている一般社団法人「Colabo(コラボ)」が、都からの委託料を不正受給しているとSNSなどを通じて追及したこと。暇空氏は監査請求をし、東京都監査事務局が1月4日に監査結果を公表した。
都監査事務局は暇空氏の主張の大半を「妥当ではない」と退けた一方、経費精算に一部不当な点があるとして都に再調査を指示。不適切な委託料があれば2月28日までに返還請求するよう勧告したが、Colabo代表を務める仁藤夢乃氏は、ツイッターに「『違法』なことも『会計不正』もなかったことが明らかになりました」と投稿した。
これを受け、「ひろゆき」こと実業家の西村博之氏は、「何故が勝利宣言。日本語がわからなくなっちゃった?」「やましい事がないならいくらでも説明して誤解を解けば良いだけだと思うおいらです」と率直な意見をツイッターに投稿。
これに対立する形で、「#Colaboに連帯します」というハッシュタグと共に、不正受給の疑惑に切り込む意見は、総じて「女性支援の足を引っ張る女性の敵」という旨のツイートが増え、論点がズレていった。
■代表の仁藤夢乃氏はネットでも有名なフェミニスト
「代表の仁藤夢乃氏は、ネットでも有名なフェミニストで、過去にも『温泉むすめ』など地域活性化コンテンツを批判し、結果的に地域活性の機会を奪ったことがあります。一部のフェミニストは『女性差別をするな』と言いながら、女性の立場を存分に使って周りを攻撃することもあり、攻撃された側にヘイトが向きやすい。今回の仁藤氏も昨年11月末にデマや誹謗中傷を行っているとして暇空さんを提訴しており、自分の意に沿わない相手は、敵認定をするというスタンスです。さらに一方的に『勝利宣言』したことで、世間の心象を悪くしてしまったと思います」(ネット事情に詳しいジャーナリスト)
一方でColaboの活動は実際に女性を救済しており、だからこそ都も業務を委託してきた。このまま不正会計疑惑に対しては謙虚に疑念を晴らすという姿勢を見せなければ、都からの委託事業の打ち切りなどにも繋がり、結果的に女性救済の機会を失うことにもなりかねない。そもそも東京都における「住民監査請求」は、2016年に舛添前知事の経費返還請求を最後に却下・棄却されており、今回請求が認められたこと自体が"異例"だ。
Colaboに向いた疑惑を一方的に誹謗中傷と切り捨て、疑惑を残したままの勝利宣言することは、委託料の原資である税金を払っている国民までも敵認定していると取られかねない。そうなれば結果的に女性を救済するための団体に、ヘイトが向いてしまう可能性もあり、それ自体が「女性差別のない社会」から遠ざかっていくことにもつながるだろう。
救済を求める女性たちのためにも、しっかりと疑惑を晴らし、救済支援が続くことを切に願っている。