Jazzpianistの山下洋輔が こんなことを言っていました。
「好きなものは天から降りてこない。
これが好きだと、思い込んで、そればかりやっていると好きになる。」
これは小林秀雄の言葉を連想させます。
「人は一つのことを徹底してやればそれが好きになるものです。そして、必ず、難しいことに次にチャレンジしたくなります。冒険したくなります。たとえそれが失敗につながるしても」
よく若い人が好きなことが見つからない、とか、もっと良い職業につきたいとか、言いますが、私の大学時代は就職氷河期時代。1951年。本当は卒業後は二、三年は絵を描き続けて漫画家になりたかったのですが、母が心筋梗塞の手術を受けて、仕送りを月3万せねばならず、あえなく当時ほとんど応募のないkimono屋に、就職しました。
社長の言葉に感動したからです。「kimonoは女性に美しくなりたいという気持ちがなくならない限りは、日本からkimonoはなくならない。」
全くのど素人が、それでも、33年間も無我夢中で模索しながら仕事していますと、気がつくと、kimonoの奥深さ、kimonoの美しさの虜になっていました。特に、日本髪。それに、十二単などの美。龍村平蔵の帯の芸術。(芥川龍之介が絶賛)
どんな仕事でも、必死にやっていれば、好きになるものだと信じています。そして当然ですが、職業に貴賎はありません。
私は芸術家という言葉、芸術という言葉が嫌いです。
絵を描くこと。それが楽しいだけです。
好きなだけです。中毒みたいなもんです。
jazzsaxも同じく。
吹けば吹くほど、好きになってきました。
その行為は心と魂を解放してくれます。それに感謝します。