岡潔×小林秀雄  あなたは万物となって、わたしに満つる=智恵子抄 |   心のサプリ (絵のある生活) 

  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

岡潔×小林秀雄  あなたは万物となって、わたしに満つる=智恵子抄

◎世界中の数学者がみんな挫折した三つの大難問をたったひとりで、解決した岡潔。
資料にもあるように、誰もそれをたったひとりの数学者が解決したとは信じなかったという。
源氏物語・・・西洋人には、東洋人が世界で初めての小説(ドナルドキーンの定義では、100ページ以上の物語・・)
をそれこそ、ガルガチュア物語や、デカメロンなどの小説よりも、数百年も前に、たったひとりの日本女性が書き上げたとは絶対に信じないように。!!!!

◎ひとは極端に何かをやればそれを好きになるという性質を持っている。岡
◎やさしいことはつまらぬ、むずかしいことが面白い。小林。
◎男女関係の醜さを描くピカソそれを無明という。岡
◎自己中心の自己=西洋の「自我」、仏教の「小我」。岡
◎良寛の冬の雨の音が好きだというのは、何度もなんども聞いているうちにそういう働きがでるもの。それは無明を押さえることのできる人のみが可能。岡。
◎坂本繁二郎と、高村光太郎の彫刻こそが美である。岡。

たしかに、高村光太郎の詩・・・
あなたは万物となって、わたしに満つる=智恵子抄

これは読んだ時に、わたしは、涙がでた。
相手をほんとうに愛しているからこそ、でる、素直な言葉が、
新鮮なる言葉で、結晶している。

彼の「レモン哀歌」は、ちょっと宮沢賢治の、「妹よ」によく似ていて、
妻や妹に対する盲目的で、無垢の魂にあふれていて、世俗にまみれた私の魂の
ヨゴレをとってくれる。・・・・・・

◎地主ていすけの絵を個展で買った、その絵の大根には鬆がはいっている。おでんには駄目だ、そう小林の妻が言う。小林。

坂本繁二郎は、馬で有名ですが、牛も美しいです。

 何回この本、人間の建設 をよんだろうか。
 神田かどこかの古書で最初読んで、そのまま、私の知的泉として書架にあり、
 いまでも、知の泉が枯れそうになったら水をいただいている。

 学問という言葉も、今では、普通の人の間では、死語になってしまった。

 学者は、ピンからキリまで、ひろがってしまい、ほんとうの学問をしている人が極端に減っているのが、現代の情けないところ・・・

 たとえば、笹井先生の自殺の件。
 これも、小林秀雄氏や岡氏も語っているけれど、このような業種の方というのは、ある意味、特別な人達であって、それなりに尊敬されなければいけないと。
 私もずっとそう思ってきた。
 インチキ左巻き反日学者は消滅しても良いと思っているけれど、自分の好きなことを一生涯をかけて、やっていることはなかなかできるものではない。
 
 マスコミ関係の人達とはレベルが違う。
 なんでも、金でものの価値を換算する輩ともまた。

 答えだけを出すのではなくて、問題そのものが大事なのだというアイデアもいただく。

 ただの読書というよりも、稲妻のなかで、叩かれている感覚になる。

 読み終わった後の、感覚もまた、滝にうたれたような気分だ。(私はおはずかくも、温泉の滝くらいにしかうたれたことしかないけれども)

 まさに「考える」ということそのものの本質が、垣間見える、ヒントの本と言える。

 ベストセラーを狙ったような、山高く積もれたわけのわからない新刊本。
 金儲けだけについて書かれた本。
 俗物的な合理的思考に染まった、手に取るのもおぞましいつまらない新刊本。

 こんな本の山に比較すると、まさに時間の波に洗われても洗われても、いまだに読まれ続けている立派な古典だと思う。

  昔、中上健次というマッチョ作家が、小林秀雄氏を乗り越えようとアホな友人とともに、彼を批判した本があって、何回も読んだけれども、何をふたりがしたいのかまったくわからなかった。

  (中上健次も、良き作品はあるけれども、大きな軸は少しぶれているのかもしれない。)

 数学者や哲学者などについての、彼らの意見は少し難解すぎてわたしなぞには歯が立たないけれども、それでも、ヒントはもらえる。
  トルストイとドストエフスキーの比較もまた、素晴らしい。

  ふたりはともに偉大なロシアの作家であるけれども、その偉大さには大きな違いがあるということを気づかされる。