人生で一番大切な事
「僕を日本人に戻してくれた妻へのラブレター」は泣けます。
アメリカで35年暮らした僕が妻の田舎に移住して見つけた人生でいちばん大切なこと
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10代で、渡米し、以来35年間をハリウッドで、俳優、スタントマン、プロブューサーを製作してきた作者。マックス・桐島。
そこで、ぶつかるのは、アイデンティクライシスとでも、言うべきもの。
日系の二世、三世でもないし、もちろん日本で暮らす日本人でもない。どんどん。日本のことを忘れていく・・・・
異邦人みたいに。・・・・作者の素直な感想です。
現地で働いているうちに、異文化が無意識に入り込んでくる。言語・文化・衣食住・・・これは日本に住んでいる人が
日本人化、していくこととよく似ていると言いますが、果たしてそうか? ちょっと違う気もしますが、その国々のお国事情がありますし。彼の場合は、何と言っても、アメリカンドリームのアメリカ。しかも年齢は本には書いてはいませんが、1960年にハリウッドに渡ったということは、1940年だいくらいの男性。アメリカが理想の国に見えた世代ですね。
個人主義がしっかりしている西洋人が、日本に無意識に同化してゆくとは、到底思えない。知り合いの、外人さんは、自分から
日本を心から興味を持って関心を持ち、日本を楽しんでいる。この作者は、そうではなくて、最初は、仕事でアメリカに行って、知らないうちに、心の中のアイデンティを、喪失しそうになっていたと、言えそうです。
それを変えたのは何か?
妻の病気。「気管支拡張症」という病気。小さな時に、多忙だった両親が、子供の小児結核を完治させないまま、にせざるをえなかった厳しい環境が年齢を経てから、牙をむくことになったのです。
感染症を繰り返す日々。
「奥様の華奢な体では、手術には耐えられないでしょう」と担当の医師は言う。
そして、「残念ですか、後、5年でしょう」と。
そして、帰宅する彼に、妻は、こう言います。「あなたに話があるの・・・・」
友達からは、せっかくのキャリアを捨てるのはもったいない、絶対に、ここに残るべきだ、という大合唱。
漢方も治療にプラスしたが、やはり、肺炎を併発したり、状態は良くならない。
ついに、妻は、あなたとやはり、離婚して、私は宮崎で、余生を送る。「あなたは、ここで夢を追いかけなさい。」と言う妻。
そういう妻の優しさ。・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・悩みに悩んだ、著者の結論は、「何があっても彼女を守る」と誓った、結婚の時の誓いの
言葉だったのですね。
宮崎へ一緒に帰ろう・・・・妻の瞳から涙が溢れた。・・・・
というわけで、日本に戻った妻は、あと5年と言われた病気が、宮崎の知人・親戚・友人たちの励まし、もちろんこの著者の愛に溢るる看病、そして、宮崎の故郷の水・空気・空・風・食材そういうものが、結局は彼女を奇跡的に15年も、生かすことになるのでした。
そして、この本は、その結論を得るまでに、本人が、自分の心の中の日本人に気づき、次第に、妻の偉大さが、理解できてくることを多くのページをさいて、書いています。
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なかなか、まとめるのが難しいのですが、読んでいて、本人が気づく「日本人の良さ」は帰って、日本に住む私たちから見ると、当たり前すぎて、ええっと思うのが、面白かったです。備忘録で、自分が、勝手に感動したところ、ホオーーと思ったところをまとめてみました。参考あれ。
□たくましさ、工夫力、一所懸命精神文化は、日本人の遺伝子に組み込まれている。妻の行動を見て、そう感動する著者。無事にそれまで住んでいたアメリカの家を売った時の本人の感想。なかなか売れずに悩んでいた時の妻のあきらめない態度。まさに、日向おごじょ。=宮崎の若き大和撫子。
□sore loser=負け惜しみを言う敗者は、アメリカ人に多すぎる。妻はそれを言わない。
□practice makes it perfect . 芋焼酎=宮崎の故郷の酒の力。
□日本女性を世界が絶賛する。=「妻が田舎の景色、おいしい水や食べ物、虫の鳴き声、鳥のさえずり、草花や樹木の香り、空気や風の肌触り、その全てが美しく、懐かしいと感じる、繊細な心・・・・・・・平安時代からの日本人女性の遺伝子=枕草子のような。」日本女性が普通に持っている心の様。
□「ハリウッドではみんな日本人の真似をしている。」「日本嫌いのアメリカ人が立った7日間で日本を好きになった理由」
homie=生まれ故郷の仲間達 が 盛んに使う。日本人的な意味での、故郷を持つアメリカ人は少ない。
□余命5年と宣告された妻が、ロサンゼルスから、生まれ故郷に戻り、12年も生きれた奇跡。
□服部君事件は日本ではまずおこらない。ハロウィンの日 マグナムで射殺された仮装した日本人高校生。
□ 元、メジャーリーグ選手の解説者がイチローに言った言葉。「elegance and class!!! thats him 」 優雅さと、気品。それが彼だ。「best in japanese 」を感じると言い切る。ベンチ要員になっても、ピンチヒッターになっても一所懸命。
グローブやバットを丁寧に扱う職人気質。・・・
□ on me バトル = 私が払う。気配り、おもてなし、まるで歌舞伎の儀式でもあるような。アメリカ人は、プラグマティズム。
割り勘が普通。
□ what you see is what you get =額面通りの西洋。ところが、表情の裏を読むのがjapaneseスタイル。直感に優れているからだ。
■ジム通いしない人でも、掃除や、散歩、自転車、庭仕事、生活のどこかで、「動くこと」を生活に取り入れる、「和」の生活スタイルは、世界最先端!!!!!! 確かに、体重100キロなんて当たり前のアメリカ人の国ですから。
□ 宮崎県の「テゲテゲ文化=いい加減」文化。この「いい加減」は日本的だ。
□ 俳句に、短歌。生け花に、武道、座禅、瞑想、散歩、喫茶、=日本文化の粋を集めたスローライフカルチャーそのもの。
■ 「旧知の人たちが、亡くなった父母の話をするのを聞くたびに、自己治癒力が増すような気がする。」=妻の言葉。
「私は自分の好きな絵しか、描かない。健康な自分をイメージして描くのよ。=妻 」霧島の山並みが、絶対の奇跡を約束しているかのようと作者は霧島に感謝する。
□相手を待たせることが、ハリウッドのかっこよさ。ファショナブルレイト=アメリカの悪式?習慣。日本では、「またせるより待つ極意。」
■ONE FOR ALL = 日本式
□地方への入り口である空港におしゃれセンスを持ち込むのは世界一の日本のおしゃれセンス。アメリカ西洋
の地方空港は、寂れて閑散としている。
■一番の衝撃=ペットボトルを子供が水で洗ってゴミ箱に捨てるのを見たとき。世界で、捨てるゴミを洗うなんていう国はどこにもないのですから。これがone for all につながっていく。・・・・・(最近は分別ゴミをできない人も多くはなっているが)
■東京で会うアメリカの友人は声を揃えて絶賛するのは、
電車がピタリと同じ位置に止まる=acuracy=正確性
その作業が、毎日毎回、続けられる=earnestness=誠実性
座っている全員がほぼ同じポーズで、スマホを凝視する。=unity =結束性
□上海での目撃=美女が、片方の鼻の穴をおさえなから、もう片方の鼻からぷっと液体を飛ばすのを何回も見た事、もう中国へは2度と、行きたくない。
■ハリウッドが絶賛した「あきらめないなでしこjapan」
小さくても巨大な彼女たち
Little big girls
25回戦っても、一度も勝てなかったアメリカに、勝って世界一になったあの有名な試合です