禅は心のリセット  ハックスレーのこの言葉=「知覚の扉」 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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禅のすすめ (講談社現代新書) 禅のすすめ (講談社現代新書)

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禅。
自分では、禅寺にいったのはたった一回、吉祥寺にあるちいさな道場で座禅を組んだきりなのだが、
若い頃にやはり哲学や心理学や物理学にはまったことがあり、その時に、いろいろ読んだ禅関連の本のうちの
一冊である。シンクロにて、手にとる。頁が折り返してあり、何枚かのそのような頁の上のほうに赤で○の印がついている。

この作者は佐藤幸治という。1971年に亡くなっているが、日本文化の研究に生涯を捧げてきた。66歳であった。
この人で私が共感できるのは、芸術的なセンスと感情が若いということであり、普通どこかの教授で禅を研究となるとほとんどが「体系的」を優先するので頭がかちかちの文献になって、学生しか読まなくなる。この本はそういう意味では、講談社現代新書にあるので、今この時代のなかでどう生きて行くかという悩み多き若者そして女性の方にも読みやすく書かれている。

その中に、この真面目でありながらも、美のセンスがあるこの佐藤さんはメスカリンを実験として飲んでみるのである。イギリスのハックスレーが実験したように。
麻薬は日本では禁止されているしやれば廃人であるので、佐藤さんは古来からメキシコやインディアン達がサボテンからとったエキスで、宗教的な儀式をおこなってきたということを研究し、正式にアメリカの製薬会社から直接ゆずりうけた副作用がまったくないというものを飲んでみたのである。

そして、ハックスレーのこの言葉。「知覚の扉」


気持ちがいいかと聞かれ、こう答えた。
「よくも悪くもないよ。そうあるだけだ。」
朝食の時に見た少しデザインがいまいちと思っていた花瓶の色彩が、薬を飲んだあとに、
「アダムが創造の朝に見たのでは」と思われる程の色彩に感じられたと。

そして、佐藤さん。
「いすという自分でないもののなかで、わたしという自分ではないものになっていた。」
そのようなハックスレーが表現をしたこととまったく同じ経験であったと。

禅はこのような、そこにあるものと自分との融和をとうしてなにもない何も意識しない完全なる宇宙との
調和をめざす。したがってマスカリンと同様な脳の作用が起きる。

そんなことを考えながら、私は学生時代に横浜の大学から歩いて2時間の横浜桜木町まで歩いて行って、
ダウンビートでコルトレーンの「至上の愛」を聞き、また歩いて、菅田町の下宿までもどってきた。

 

 

時代はヒッピーの時代の幕の最後の方で、後輩の学生達はズボンの幅のサイズなどをこだわるようになってきていた。

精神はどこから来るか。宇宙か、それとも脳の中か。

そんなことをわかりもしないのに、とぽとぽあるきながら、私はぼんやり夢想する。
それから、4年後にジョン.c.リリーのほんとうの脳の変性状態の研究を下敷きにした映画に出会う。
「アルタード・ステーツ」である。映画の出来としては不評であったが、私はこれが非常なる興味で見た。
なんせセックスの最中にでもキリストの幻覚を見る男が主人公なのだから。

 

 

 

 


アイソレーション・タンク isolation tank とは1954年にアメリカの国立精神衛生研究所にジョンがいた時に開発したものです。フローテーションタンクとも呼ばれます。防音・断熱された部屋に設置し、タンク内には、比重の重い溶液(約1.3g/cm3 の硫酸マグネシウム溶液)を張ります。これは無重力状態を作り出すためです。また、その温度は体温とほぼ同じ温度に保つようにします。そして光も遮断します。この中で全裸で水面に浮くことにより、温感・触覚・聴覚・視覚の入力が制限され、高度の感覚遮断状態を実現できることになります。

このすべてのものを遮断するということは、実は禅でもやります。めざします。この佐藤先生の本のなかでもある禅僧が木魚をたたいて瞑想しているうちに何年もそれを繰り返しているうちに、たたいている木魚の音も消え、眼の前のすべてのものが消え、自分の意識も消えただ、はっきり、はっきりしか残らなかった、と。そして、その日は驚いて、もとにもどったあとに、眠りこける。次の日から、朝起きて庭を見ると、
そこにある花や樹が、いつもとまったく違うように見えるではないか。はっきりと見えるのである。はっきりと、そこにあるように見え、そしてそれは私自身でもあるというはつきりとした感覚を感じたと。

ジョン.c.リリーは、日本に来た時に、私がこのタンクでつくりだすこころの変性状態は、「禅の悟りだ」と言ったことは、実に、私には感動的だ。

日本人にとって自然は征服する敵ではない。だから禅になる。
西洋人にとって自然は征服すべき敵だ。だからタンクになる。

禅は金もかからず手軽にできる。副作用もない。


私はそう考えている。

そして、このタンクをテーマにした、映画をまた見ようと思っている。

「イルカの日」1973米

 

 

 

 

」 2000日本
の二作である。(ISOLAは評判は散々でしたが)

禅も麻薬も恋愛も そこから得られるもの=変性状態は、きっと、「こころを 100%白紙にする こころの リセット」ということではないか。なにかそんな気がする。


酒の変性状態はでは、どれぐらいの、リセットになるのか。これはまたちょっと違うのかもしれない。

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