草思社のサイエンスシリーズ。まだ五冊くらいしか読んでおらず、愛蔵保存している。
科学の考え方も、また、一刻一刻変化進化していくのだけれども、このシリーズのそのときの考え方は、最先端の思想であり、そこからまた、次な思想が刺激され生み出されて行く。・・・・・親宇宙、子宇宙のように。
ゴーギャンの名作。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」ではないけれども、誰もその答えを正確に出した人はまだ誰もいない。
ただ、人間の想像力の力、イマジネーションの力で、一歩ずつ、前進していることはまちがいないだろう。
そう遠くない日に、人類にとってのすごい発見・思想がでてくるとは、セーガン博士の意見であるが、ノーベル賞の様々なる研究者の論文などは、もう当然私なんかが読んでも理解できないし、専門家にしても、100%理解しているとは思えない。(アインシュタインの相対性原理などは、当時完全理解したという人は、三人くらいだとも言われていた・・・・)
夜空を散歩しながら、見ていると、ほんとうに宇宙の広大さを感じる。
ハッブル望遠鏡ではないけれども、日々、今こうやっているあいだにも、遠くへ逃げ去って行こうとする我が宇宙の果の果てまで、望遠鏡はおいかけていくのである。そして、驚くべき画像で、宇宙の無限的ともいえる広大なる風景を見せてくれている。
この問題に興味のある人はもちろんたくさんいて、それらのトップの人達との協力で、ちょっとした未来をかいまみせてくれる映画も最近たくさんある。素晴しきことだとも思える。
かつて、利根川進さんの研究所で働いていた女子と話す機会があって、興味があり彼の本を少し読んでみたけれども、やはり、彼もまた還元論的であった。少しがっかりした。
立花サンの本も、読み易いので、かなり読んでみたけれども、彼の立場は、脳と魂の問題については、キューブラ・ロスみたいな直感的で、信仰に近い立場はとっていない。
個人的には私は、還元論反対論者なので、小林秀雄氏の考え方を大切にしている。
つまり物質の動きを、意識が真似をさらになぞるというような、複雑なダブルな贅沢は自然が許さないだろうと。
その意味では、最近、脳が身体などをコントロールしているのは100%ではなく、最後の最後に、コントロールしているのは、やはり「意識」であるといわざるをえない。そして、その意識はsomething greatなものと考えざるを得ないという、考え方も広がっているので、私は、やはり、小林秀雄氏の考え方の直感力の正しさを感じた。・・・・・・・・
そんなわけで、まだまだ、人類の智慧などは、まさに大海のはじっこの砂のひとつぶに、すぎないわけだけれども、もしも、戦争などによる、人類破滅ということがないかぎりは、人類は、きっといつの日か、この宇宙のしくみ、生命のしくみ、意識のしくみ、すべてを説明する原理を物理的、科学的に証明してみせてくれるだろうと信じたい。
嘘のようだけれども、そのときこそ、人類は永遠の命を手に入れ、宇宙のどこへでも、移動し、(何十年もかけてだろうが)、宇宙の果まで行くこともできるようになり、ついには、その先にあるsomethingまで、理解することだろう。
◎資料
140億以上の神経細胞が集まる脳は、色も手触りも異なるさまざまな領域から構成された、不可解な組織である。ほかの組織の10倍ものエネルギーを消費して、脳はいったい何をしているのか。化学物質と電気信号の複雑で巧妙なやりとりのどこから心は、意識は、記憶は生みだされるのか。臓器としての脳の姿から受精卵から脳が発生する驚くべきしくみ、薬物や脳内ホルモンが及ぼす影響まで、謎に包まれた脳内メカニズムの内奥をさぐる。
◎資料 このサイエンス・マスターズシリーズの目録コレクション。ネットからお借りしました。ありがとうございます。
草思社「サイエンス・マスターズ」目録リスト一覧
- 1. リチャード・ドーキンス,垂水雄二(訳),『遺伝子の川』,1995年
- 2. ポール・デイヴィス,出口修至(訳),『宇宙最後の3分間』,1995年
- 3. リチャード・リーキー,馬場悠男(訳),『ヒトはいつから人間になったか』,1996年
- 4. ジョン・バロウ,松田卓也(訳),『宇宙が始まるとき』,1996年
- 5. イアン・スチュアート,吉永良正(訳),『自然の中に隠された数学』,1996年
- 6. ピーター・アトキンス,細矢治夫(訳),『元素の王国』,1996年
- 7. ダニエル・C. デネット,土屋俊(訳),『心はどこにあるのか』,1997年
- 8. ウィリアム・H. カルヴィン,澤口俊之(訳),『知性はいつ生まれたか』,1997年
- 9. ジョージ・C. ウィリアムズ,長谷川眞理子(訳),『生物はなぜ進化するのか』,1998年
- 10. スティーヴン・シュナイダー,田中正之(訳),『地球温暖化で何が起こるか』,1998年
- 11. スーザン・グリーンフィールド,新井康允(訳),『脳が心を生みだすとき』,1999年
- 12. ジャレド・ダイアモンド,長谷川寿一(訳),『セックスはなぜ楽しいか』,1999年
- 13. ロバート・ワインバーグ,中村桂子(訳),『裏切り者の細胞 がんの正体』,1999年
- 14. リン・マーギュリス,中村桂子(訳),『共生生命体の30億年』,2000年
- 15. ダニエル・ヒリス,倉骨彰(訳),『思考する機械 コンピュータ』,2000年
- 16. マーティン・リース,林一(訳),『宇宙を支配する6つの数』,2001年
- 17. リー・スモーリン,林一(訳),『量子宇宙への3つの道』,2002年