宮崎県などを舞台に昭和40年から放送されたNHK連続テレビ小説「たまゆら」の原作である川端康成の直筆原稿135枚が神奈川県鎌倉市の川端邸で見つかったことが26日、分かった。川端康成記念会(鎌倉市)の水原園博理事は「筆圧が力強く、作品に対する気合が伝わる。貴重な資料だ」と評価している。
絵画など川端の美術コレクションを集めた宮崎県立美術館(宮崎市)の展示会で31日から公開される。
記念会の理事長で、川端の娘婿、川端香男里さん(81)が今回の展示に向け、宮崎にゆかりの資料を整理していた際、偶然見つけた。水原さんによると、川端はたまゆらを執筆中に途中で挫折し、見つかったのは物語前半の一部という。
たまゆらは、川端がテレビ用に初めて書き下ろした作品。NHKのホームページによると、会社を退いて「古事記」を手に各地を旅する男性とその家族を描き、故笠智衆さんや故加藤道子さん、扇千景さんらが出演した。