田中真紀子文科相の“無神経”発言 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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「かっこ悪い暴走老人」と田中真紀子文科相が、東京都知事を辞職して新党結成に動き出した石原慎太郎氏を評して言った。いかにも大衆受けしそうな表現をパッと口にする鋭い感覚は田中氏ならではだ。しかし、小泉元首相のことをかつて「煮干しの出がらしみたいな顔」と言ったのには、うまいと笑えても、今回は笑えない。(サンケイスポーツ)

 「任期途中の知事職を投げ出しての国政復帰はわがまま」「言うことは立派だが、具体的な政策がさっぱり見えない」などと石原氏の行動には批判も多い。しかし、日本人男性の平均寿命79・44歳を超えた80歳にして国を憂い、「最後のご奉公」と立ち上がった人に対し「暴走老人」は言い過ぎではないか。

 相手の心を踏みにじるような表現で、不快感を与えるだけだ。深刻化するいじめ問題では言葉によるいじめが、多くのいじめの元になっているともいわれる。そんなときに、こどもたちの教育を預かる文科省の最高責任者がこんな発言をすること自体、無神経と言われても仕方ないだろう。

 政界に目をやれば、時代を進める役目の首相は時計の針を自分で止めたままだ。27日には思い出したように岩手県を視察し、でたらめに使われた復興予算について「被災地の復興・復旧が最優先」と今頃言った。きょうやっと臨時国会が召集されるが、政治がこんなひどいことになるまで、田中氏は政権与党内で何をやってきたのか。

 夫の直紀氏は一時期防衛相になったはいいが、国会答弁ではしどろもどろ…。石原氏が「暴走老人」なら、あのころの夫は「迷走老人」と叩いてもらいたかった。批判もいいが、やむにやまれず決起した80歳の心境をかみしめてみる必要もあるのではないか。(今村忠)