中国の作家、莫言氏(57)のノーベル文学賞が決まった11日夜、村上文学を愛し、東京大学大学院(東京都文京区)で文化的背景などを研究している中国人留学生らは「ノーベル文学賞が2つあればいいのに…」と複雑な表情を浮かべた。
莫氏と同じ中国山東省出身の留学生で、「東大中文村上春樹研究会」の副会長を務める権慧(ケンエ)さん(25)は、高校時代に「ノルウェイの森」を読みほれ込み、大学で日本語を専攻したほどの村上文学ファン。「莫氏の受賞は同郷として誇りだが、村上さんが選ばれなかったのは残念。村上文学で何度も泣き、勇気をもらった。来年こそは村上さんに」と語った。
同研究会会長の中国人留学生、徐子怡(ジョシイ)さん(27)は「中国人の受賞はうれしいが、村上文学の魅力も認めてほしかった」と話していた。