東洋の華とよばれるためには     礼儀作法のできる女性たち |   心のサプリ (絵のある生活) 

  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

 韓国では、職人というか、ものつくりをする人の地位が低いという記事は以前書きました。

 どこの国でも、何かのひとたちを、何かの理由で、一段低く見る傾向はありますね。  

日本でも、明治時代あたりは、京都の芸妓さんあたりを見る眼は冷ややかでした。

 下に見ていたのですね。



 これまた先日の記事で、フランスの画家のバルテュス氏の奥様、節子さんは着物がよく似合う日本人ですが、彼女のことを書きました。
 坂本龍一氏が驚いていたように、ミラノコレクションで、ごったがえす深夜のホテルのロビー、少し小柄な彼女がラウンジを歩くと、金髪のモデルたちが彼女のために、まるで、海が分かれるように、道をあけると。


 やはり、文化って、どこにいっても自国の文化を愛する人は敬愛され、尊敬されるんです。


 彼女の話では、彼女も若いころはふつうの洋服好きの御嬢さんでしたが、美意識のかたまりのようなバルテュスに出会うことによって、自分の日本人としての美しさに開眼していったのですね。。見る美 聞く美 思う美―「画家バルテュス」とともに見つけた日本の心/祥伝社

¥1,680
Amazon.co.jp






 それと比較すると、明治自体は、国際結婚などほとんどなかった時代。

 そんな、外国人と結婚することが今のようにあたりまえでなく、いわば、センセーショナルと思われた時に、青山光子という女性が、いました。


 彼女は、京都の芸妓さんでした。


 彼女もまた、オーストリア・ハンガリー代理公使として来日していた、ハインリッヒ・グーテンホーフ・カレルギー侯爵に見初められました。


 若いころから日々芸能にうちこんでいるだけで、やはり、所作や、身の動かし方なとがハッとっとするほど、美しかったわけです。



 でも、こんな話は不思議に教科書には乗りません。

 今の日本の教科書は自国のプライドを高めるような書き方にはなっていません。


 明治29年に彼女は、ヨーロッパにわたり、彼女は社交界で、東洋の華と呼ばれます。


 宮廷社会や、貴族社会を通じて、彼女の名前はミツコとして各国に知れ渡ります。


 世界に知られる香水ミツコは彼女の名前ですね。


 彼女は七人の子育てをし、立派に子供を育て上げました。


 彼女の次男坊は、リアルト・ゲーテンホーフ・カレルギーは、現在のEC EECの提唱者というのですから、すごいですね。


 ですので、EEC EC から生まれたEUの賛歌の、ベートーベンの九番の第四楽章を選んだのも彼です。


  というわけで、日本では低い地位とされていたのに、海外で、彼女ら、祇園の芸妓さんたちの礼儀作法やら、マナーが、世界的に認められたということですね。



 西洋のような長い歴史のなかで、貴族文化がしっかりしているところでは、ただ頭が良いとか、知識がいっぱいあるとか、そんなことよりも、普段の所作、ふるまい方が、しっとり、その本人に浸透しているかが、尊敬されるポイントかもしれません。


  日本は海外に比較すると昔から貧富の差が極端になく、だれもが、頑張れば、出世できるという国だったわけですが、その分、身についた躾や教養、品の良さというよりも、頭が良いとか、一流の大学を出ることが、褒められるわけで、日本の常識は世界の非常識ということにもなるわけですね。


  私は、大学時代に三島由紀夫と出会い、ふつうのサラリーマンにはならないと決めました。

  彼が、切腹してまで、言わんとしていたことを知りたかったし、銀行なんかで、お札を数えるのだけは嫌だったんです。(銀行員さんごめんなさい)


  ですから、就職活動はせずに、受けたのは、ただ、一店舗の呉服屋でした。


  三十三年間務めて、ほんとうに幸福でした。


  京都にも、何十回も行けて、しかも、芸妓さんたちとも知り合えましたし、彼女たちの生の声やしぐさや所作も、目の前で見ることができましたから。


  私たちの若いころ、就職したころは、アメリカ文化が全盛でしたから、だれもが、呉服屋なんかに目を向けませんでしたし、着物人気はまったくありません。

  ただ、一部の美意識の高い女性たちと、私は、着物について話し合い、帯や襦袢や、帯どめやら帯締めやらのそんな、コーディネートをいろいろ試しては、勉強していました。




  ですので、私がショップの店長をしていた時には、女性のお客様の多くが、一度は芸妓になってみたい。
 こんど、生まれ変わったら芸妓さんになりたい。
  舞子の衣装を着てみたい。


  そんな話でもりあがり、ついには、みんなで、京都にくりだすことになったのです



未知の京都―舞妓と芸妓―/弘文堂

¥5,040
Amazon.co.jp

クーデンホーフ光子の手記 (河出文庫)/河出書房新社

¥767
Amazon.co.jp