昔は、書斎が欲しかった。
こんな書斎関連の本はたくさん集めたものだった。
そのうちに、都会の生活が長くなり、故郷のことを考えようになり、海や山があれば、特に書斎にこだわらずとも、本があればいいという気持ちで今にいたっております。
しかしながら、それでも、その場には今でも、惹かれますね。
吉田秀和氏が亡くなって悲しかったのは、彼が小林秀雄氏やら大岡昇平氏らとの付き合いで、よく仲間で音楽談義をしていたことをよく本で読んでいたからだった。
ただ音楽を聴くというのではなくて、哲学的に音を追求していたから文章が深いんだと思います。
上のオーディオ評論家の池田圭氏の部屋もいいなあ、と以前からずっと記憶に残っています。もうかれこれ、20年くらいはこの写真を見ているかな。
彼の使用する椅子もアンチークで絶対に手にはいらないもの。
病人が使用するための低い高さの椅子で、もう現代では売れないから、売っていないとか。
「もう今は二流のものしか売れません。本も音楽も、家財道具も」彼の言葉。
かわって、漫画家、竹宮恵子。
私の好きな、敬愛する作家のひとり。
やはり、女流漫画家といえば、
岡田史子。
西谷祥子
水野秀子。
そして、竹宮恵子かな。
この徹底した女の子の部屋がまた彼女らしい。
手塚治虫をこよなく尊敬している彼女。
「地球へ」は傑作。
小松左京氏の書斎は、この写真だけではないとおもいますが、彼らしい。
この本自体が、数十年前のまだまだ、コンピューターが巷に普及していない頃。
数百万いや、それ以上の投資をしている筈。
ファクシミリ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ。
紙の消える日をイメージしながら、ネットにあこがれる。
まさかこんな時代がすぐにこようとは当時の作家達も想像はつかなかったでしょうね。
作家達が当時使っていた縦書きのワープロを私も真似して、秋葉原に見に行ったら、100万くらいの値段がしてあきらめた記憶があります。
30年くらい前か。
最後は、やはり澁澤龍彦氏の書斎の一部。
書斎の写真は有名ですからね。
この骨やら貝殻をたくさん子供のように集めて、部屋に飾る彼の子供心がいいですね。
バルチュスの大型本もあり、おっと、楽しめます。
たぶん私の好きなタイプの書物は渋沢氏の部屋に一番たくさんあるんじゃないかな。
まあ、18才くらいから、読んでいますから、当然彼の部屋の書物はすべて知っています。
彼の蔵書をすべて収めた本が出ていて、当時高かったけれど無理して、三島由紀夫氏の蔵書カタログとともに、買いました。
それらの本をかたっぱしから、集めて行ったのですが、当然今でも、10分の1も集まってはいないでしょうね。
高くて手が出ない絶版本やら、西洋の原書なんかは、どこに行ってもありません。