書物と現実の旅のはざまで |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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 朝八時半稀少。
 そのまま、少しぼぉーとして、体がもちなおすのを待つ。
 立原正秋氏が、バッハが好きで良く聞いていたということを思い出しながら、バッハや、中世のバロックの音楽レコードに針を落とす。

 そんなことをしながらも、一気に、四時間の仕事に入る。
 途中一時間ほど、別の仕事。
 昼ご飯三時。昨夜のトマトソースウドンの残りで、トマトソースオジヤ。
 なかなかいける。わるくない。野菜がたっぷり入っているから食がすすむ。
 
 少し仮眠後、澁澤龍彦氏の「滞欧日記」読む。滞欧日記 (河出文庫)/澁澤 龍彦

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 書斎派の彼も疲れながらヨーロッパの実際の美術・食を楽しんでいる。
 これを見てもどこにいっても、なかなか美味い食にありつけないということが書かれている。
 彼は、観光は嫌いだったろうから、いきあたりばったり、タクシーで美術館近くのレストランなどに
 飛び込むのだろうが、だからこそ、 美味い食にあたらないのか。
 
 ビールやウィスキーを飲んで仮眠という文章がたくさん出てきて心にひっかかる。


 とんぼ社のボルトガルの旅記の本。
 イワシの焼き魚、国民食らしい。
 やはり日本とよく似ている食だ。
 オリープオイルとニンニクは私は大好きだが、普通の日本人はさほど愛好しないと思う。
 その意味でもボルトガル料理はさっぱりしているらしい。
 イワシのよく焼いたものにレモンをたっぷりかけて、ジャガイモと一緒に食する。美味そう。


 本棚の整理整頓。
 キモノ関係の本、また読みたくなる。
 日本の藍の特集の本。

 つげ義春の傑作選に少し時間をとられる。

 細雪と英訳本を少し読む。
 渡辺昇一氏と竹内氏の本、ぺらぺらめくって、言葉を飲み込む。

 ビデオもたくさん奥から出てきて、これも見たいなあと欲。


 やはり、旅の本に夢中ではまる。
 三時間、ずっと読んでいた。ひさびさに充実した本と一体になれた時間。
 いつも読まない本なので新鮮に感じる。
 イタリア・ウィーン・フィンランドなど北欧の国々。
 まだ行った事のない国だからこそ、空想が広がる。
 パリのことについて書かれた本数冊、読む。
 犬養さんと、巌谷さんの旅記録。イメージがふくらむ。私のヨーロッパ (1972年) (新潮選書)/犬養 道子

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 篠山紀信のルドウィヒの写真集などを見ていると眼がくらむほどのイリュージョンをもらえる。
 それと同じようなヒントを小さな文庫本や写真集でもけっこうもらえるものだ。
 

 それにしても、澁澤龍彦氏が若くして亡くなったのは残念。
 看護婦さんが、アヘンを彼にこっそり与えて、彼は大喜びしたのだが、それを雑誌かなにかに
 発表してしまっては、看護婦さんも叱られただろうな。
 まことに彼らしいというか、子供っぽくて好きだ。
 その時の幻想について彼はさまざまなる彼の本に書いているし友だちにも語っていたようだ。
 ヤブ医者のおかげで、彼の喉頭がんの発見が遅れたことはほんとうに可哀想だ。
 絶対に泣かなかった彼。
 三島由紀夫氏と、あともうひとりの友人の死の時だけ、ほろりとしたと奥様が書いている。
 そして、最後の最後に、ガンが再発して、タクシーの中で彼がひょっとしたら泣いていたのではないかと、書き留めているのが印象的だった。澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド (集英社新書ヴィジュアル版)/澁澤 龍彦

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