昔から私の好きな三島由紀夫氏の師であるから、本がこちらに集まってきた。
もう50册ほどあるかな。
特に好きなのは「掌の小説」。
私が小説に求めるものがここにはある。
それは、悲しくなる程までの切なさと、オカルト的な非日常。
そんなわけで毎夜毎夜読んでいるが、ここにきて、
彼の「伊豆の踊り子」を再読。
またまた感銘。
伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)/川端 康成
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この作品はすでに映画化されているし、あまりにも有名になりすぎて、今頃読んでいるのは時代錯誤と言われるだろうが、とにかく、ひきこまれる。
目の前に踊り子の一行があらわれてくるような描写。
最後のシーン。
孤独に育った作者、書生=川端康成の心の魂が融けていくシーンが非常に感激する。
何回読んでもため息がでる。
世間の常識や、インテリジェンスな知識通の人達、金の損得しか考えない商売人、そこかしこに広がるマンネリの日常、そんなものを溶かすものがひとつだけある。
それが作者の言いたかった、書きたかったことなのかもしれない。