大雪の岩見沢。雪かき後、仕事に疲れ、ふとレコード棚からひっぱりだす。
朝から聞く曲ではないなぁと思ったが、かけると、昔の記憶が次から次へと。
男と女がいるからこそ、この世は楽しい。
クロード・ルルーシュ監督の一番油の乗っていた頃の作品二作。
しかも、みずから作曲・シナリオ。
無名の作家がいちやく世界にはばたくきっかけとなった作。「男と女」
バツ1同士の大人の渋い愛情が実に軽いタッチでお洒落に描かれていました。
仏蘭西人は昼まっぱからワインを飲み、恋人同士がボルノ映画館で手を握り合いながらいちゃつく
お国柄。日本とは相性が良く中国とは相性はめちゃくちゃ悪い。
恋沙汰の事件はそれだけで刑が軽くなるとか。
恋の達人ぞろいの仏蘭西。日本は不倫は文化だとほんとうのことを言ったばかりにふくろだたきにあった俳優もいますが、仏蘭西人なら笑ってそのまますますでしょう。
揚げ足ばかりとる日本人とは違い、人生を楽しむコツは仏蘭西人ならではかな?
「パリのめぐりあい」も、不倫をキャンディス・バーゲンと楽しむ主人公が、最後はやはり不倫相手とはうまくいかなくなり、妻のもとへも帰れないということで、孤独になるのですが、最後のラストシーンで、妻がニコリと待っているシーン。
こんな妻ばっかりならば世の中の男性すべてが甘えてしまって大変になることは眼に見えていますが、めったにいない妻をやはりクロード・ルルーシュ監督はうまく描いていますね。
アニー・ジラルド素晴らしい。そしてキャンディス・バーゲンの美しさ。
この映画を思い出していたら、ふと、北海道出身の渡辺淳一氏を連想いたしました。
彼はエロ作家とか、陰口をたたかれることも多いようですが、私は好きです。
彼の「資料をもとにした時代劇やら歴史物は簡単に書ける。一番むずかしいし、誰もが書きたがらないのは恋愛小説だ」と豪語しているところが好きですね。
「化身」はそのなかでも特に傑作でしょうか。化身(上) (講談社文庫)/渡辺 淳一
¥820
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良くも悪くも「男と女」が描かれているし、男の「教育好き」が描かれている。
かつて三島由紀夫氏は、「エロティシズムの本質は教育だ」と書きましたが、男は好きな女にいろいろ教えるのが大好き。そして、女は男に教えられることが大好きと私は見ています。
そして、化身の女主人公が最後の最後に、見事に成長して、自分を教育してくれた男性を棄てるわけですが、「パリのめぐりあい」とは違って、妻も彼女も、完璧に彼を見捨てます。
その彼が最後に孤独になってパタリと寝床かどこかに倒れて放心?するシーン、いいですねえ。
育て上げ、教育し、美しくそだてあげた自分の愛人に最後は棄てられる。
しかしながら、後悔はしていない。
やることはやったし、自分はそれしかできないのだというプライドみたいなものもあるのかな。
現実はいつも、厳しく、甘くなく、これらの映画や小説のような男や女はなかなかいないでしょうから、だからこそ、映画や小説の中では、彼らの存在が優美に私たちに語りかけてくれるのかもしれません。
これらの映画に少しでも近い「恋の破片」みたいなものを心の片隅の宝石箱に隠して、前に突き進んで行きたいものです。笑い。