村上春樹の「遠い太鼓」は奥様とギリシャを旅しながら「ノルウェイの森」を書くというなかなかおもしろいエッセイ集だったが、ギリシャでのエピソードは特におもしろい。かのギリシャには、日本の醤油と、米酢という二大味付け食材?がないので、せっかく海でとったばかりの魚をすべてフライにして、食べてしまうので、村上春樹が奥様と名前も知らぬ魚などを刺身にして、食することなども書いていますね。西洋の人達のギリシャ信仰もまだまだあるようで、この町への観光客は後をたたない。
というわけで、サザビーコレクションの本などをちらちら、夕食のあとにめくっていたのですが、ギリシャの作家の画風がなんとなく、日本の画家によく似ているなあ、なとど思いながら見ていました。熊谷あり、リキテンシュタインあり、なんでもありですね。
自然に似てくるのか。不思議。
ここにアップした作品。
このコンスタニオス・パルセニスさん。アテネ美術学校の先生で、座右の銘は、「絵はとにかくmindと、soulで描け」と言っているらしいですね。日本画のような二次元の世界が優しい。イチジクがまたギリシャらしいですね。
<静物 still life >constantinos pamegrantes
パルセニス氏は、ピカソやブラック、はたまたモジリアニにも影響をうけたらしい。イタリアでアヴァンギャルド芸術の洗礼を受けた、そうサザビーの説明書きにあります。
<処女と子供>constantinos pamegrantes
この最後の作品は、またまったく違うリアリズムの作家さんですね。NICHOLAS GYSIS<誰かギリシャ語得意な人、教えてください。発音がわかりません・・・ギシスでいいのかな>
<おじいちゃんと孫>NICHOLAS GYSIS
三枚絵画がありましたが、どれも、やはりおじいさんが孫の髪を切ったり、孫達と遊んでいたり、この絵のような孫の靴下を編んでいたりと、「家族」の本質を描いていますね。ドイツロマン主義の影響を受けているという説明に納得。緻密なデッサン力は素晴らしいですね。
まあ、サザビーコレクション、わたしなぞ一生縁のないオークション。
でも一度は後ろの席からでもいいから覗いてみたいものです。(^^;; )