メンデルスゾーン |   心のサプリ (絵のある生活) 

  心のサプリ (絵のある生活) 

画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
至高体験の刻を大切に
絵のある生活 を 広めたいです !!!

以前メンデルスゾーンの記事は書いたのですが、たまたま、今夜、「メンデルスゾーン」の番組を見ました。

私はクラシックの専門家でもありませんから、細かなことなどは理解できないのですが、「のだめ」で感銘し、レコードのクラシック中古を集め、大好きな私の好きな映画に使われたクラシックの音楽などを日々、聞いているだけは自信がありますね。それで、この番組で見た感想を備忘録。

まず、驚いたのは彼が住んでいたという村。こころのサプリ    
あれは、私がスイスの記事の中で書いた村ではありませんか。「一生に一度は訪れなさい」とメンデルスゾーンことフェリックスが言ったと・・・これは嬉しいですね。

しかも、スイスの汽車や、ユーゲンフラウに登った時に私は凝り性なので、せっかくヨーロッパに行くのだからと、一週間前からバッハやモーツァルトやこのメンデルスゾーンを聞いていたのですね。ですので、スイスの山々を見ながらメンデルスゾーンの曲を聞いていたので、この事実を知ってなお驚き。旅が好きな音楽家ぐらいのことしか、知識がありませんでしたしね。

以前の記事でも書いたように、彼はユダア人でしたから、迫害を受けて自分の態度や作品の発表の方法や、切り込み方も熟考したことでしょう。そこらあたりが、彼が社会の外側で自分の苦しめて作品を書くのではなく、社会や家庭とのバランスの中で作品を練り上げたということとは無縁ではないでしょうね。
セシルでしたか、こころのサプリ    
奥様のキレイなこと。
死ぬ時の言葉が「つかれた」とありましたね。38歳。遺伝ではないかと言われてますが、姉の死がショックだったのでしょうし、そのあとを追うように亡くなるのも彼らしい。

ゲーテがベートーベンを嫌う理由が不思議でよく小林秀雄氏の「モーツアルト」を何回も読み直しましたが、モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)/小林 秀雄

¥500
Amazon.co.jp「人を驚かせるだけだ」という彼の言葉が頭に残っています。そのベートーベンがドイツで演奏が困難という理由で忘れ去られることを憂い、パイプオルガン、ピアノ、オーケストラの音楽として演奏に力を入れて、貴族や大衆に彼等の価値を理解させたというのですね。


つまり、指揮者というのは、よくわかりませんが、観客とオーケストラを繋ぐ触媒のような役割。
巫女さんみたいなものですか・・

バッハやベートーペンの作品の中から、解りやすいものを選び、演奏方法もわかりやすくしたといいますが、ここらあたりは専門家でないとわかりませんね。

小説で言えば、何百という作品に熟知して、その中から時代に即した作品を選んで「1冊の本」に編集しなおすみたいなものでしょうね。

ワークショップ、指揮法、人を育てる、やはり人と人との関係を重視した音楽家ですね。
だから、「狭く」ありせまんね。水彩はプロ並み。ラテン語、イタリア語、英語、フランス語までも堪能だったらしいですからね。こころのサプリ    彼が描いた水彩画ですね。テレビをそのまま写したので画像がよくありませんが・・。
それに、彼が楽譜を何回も消しては、書き直していることが今回テレビで写されていました。まるで、モーツアルトとは正反対ですね。こころのサプリ    
稲垣足穂氏も同じ作品を何回も何回も推敲しては書き直しておりましたが、メンデルスゾーンもまたその派ですね。つまり、即完全ではなくて、少しずつ完全に近づく未完成。


だから番組でも、ドイツの人達が彼についてインタヴューを受けた時に、「軽くて深い」とか「気品がある」とか、「自己主張しない」とか、よく彼の本質を突いた言葉が出ていました。「軽くて深い」なんてなんてすごいんでしょうかね。


イギリスでも古い時代には日本のように自分のことをあまり語りすぎるのは上品ではない、そんな伝統があったと聞いたことがあります。(日本ではそれは当然のことなんですが)絵画でも、宗教から次第に絵画も離れて、自己主張が始まり、貴族の肖像画だけではなくて、普通の人達やら農民やら最後には娼婦が描かれるようになっていく流れがありますね。そんな時代の流れの中で、迫害を受けたメンデルスゾーンならではの音楽に対するあり方を考えて行った、その結果が、いわゆるヒューマニズムということなんでしょうね。

私も個人的には狂気寸前みたいな戦う作家も好きなので、「円満なる芸術家」というのは言葉の矛盾ではないか、そう思った事もありましたが、今はそんな単純な区分けではなくて、作品自体を素直に偏見抜きに見たり聞いたりすることが少しはできるようになってきました。

番組の中でも誰かが力をこめて言っていましたが、彼の多様性をすべて調べずに、簡単にきめつけるのは良くないと。そう私も思いますね。

たしか750ページにも及ぶ彼の作品が発表されるそうですから、そのあたりは愉しみなところです。


彼のタイプのような作家は普通は家庭に恵まれ五人の子供を授かり幸福のもとにおのづから自己の作品群を成長進化させて70、80、90、歳まで最後には究極のエロティシズムの完成まで仕事が出来る筈だったと思います。

38歳で謎の死を遂げるメンデルスゾーン。
人の命だけはわかりません。