セックスと永遠の女性          コリン・ウイルソン |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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不思議に、この作家は自分の性体験=セクスアリスを、良い意味でいとも簡単に、本に露出するのである。
まるで露出というフェチがあるように感じるまでに。


発端への旅―コリン・ウィルソン自伝 (中公文庫)/コリン ウィルソン

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「とはいえ、13歳になったころには、私にもガールフレンドができていた。私の中学の隣りにあつた工芸学校の付属女子校に通っていた子だつた。そしてまもなく、私も性的な欲求のうごめきを覚えるようになった。13歳の彼女は胸はもう立派な大人だった。前のボーイフレンドから聞いたのだが、彼女のパンツの色について彼が冗談めいた台詞を言うと、彼女は「これのこと?」と言って、スカートを腰までまくりあげたという。その情景を考えただけで、頭のなかで血がずきずきうずいていた。

けれども、私はひどく不器用な男の子だったから、彼女におやすみのキスをするのが精一杯だった。彼女は結局私を見捨て、前のボーイフレンドの元に戻って行った。(やがて二人は結婚をし夫は警官になった)」


これは、意外にわかりやすい、エピソードである。
女は優しいだけの男には惹かれないというのは日本だけの女にあてはまることではないだろう、そう思う。

私の独断であるが、想像力がありすぎる男性は女性に対して息がつまるほどの緊張をするのである。
しかるに、この場合、警察官になった元の彼と一緒になった女性はたぶん無意識に彼の平凡でなおかつ緊張のない「女性に対する自然なる欲望」を感じ取ったからこそ、一緒になったのであろう。

これが、ひとたび男に対する嗜好が芸術的なそれが入った女性の場合には、単に積極的なだけの平凡なる男よりも、緊張に緊張を重ねながら彼女に対する嗜好やら好意やら愛が恐るべきほどの想像力で=イマジネーション=、宇宙のビックバンのごとく広がって拡散していくタイプの男に惹かれて行くことはほぼまちがいないのであろう。

それが不幸なのか幸福なのかわかりませんが、男の生命力が強すぎて惹かれるのか、弱いから自分が守りたいのか、そこで女の生き方の嗜好がわかります。


私がこのコリン・ウィルソンが好きなのは、自分の心に正直に書いていると思わせるところであり、三島が仮面をかぶり自己の告白をする「仮面の告白」のような日本的な複雑さから見ると、まさに、ラテンのおおらかさでもある。

しかし、そこがこの作家の私が好きなところである。