現代アートのコンセプトはなかなかわかりずらく、ぱっと見ただけでは何を言いたいのか、わかりずらいものが多くなっているし、画家がこれは絵だ、と言えばじつを言うとなんでもそれは絵になるのだ。
キャンバスを焼いたり、泥を塗ったり、あるいはただの何も色をつけていない白のキャンバスをこれがわたしの絵です、ということも現代アートシーンではありだろう。
もちろんそこには確固たるコンセプトがなければだめなのだが。
しかしながら、私はそのような絵を認めることはできない。
ひねくれもののあまのじゃくの私だからこそそんな屁理屈の絵を認めることはできない。
絵は感動であり驚きであり新鮮なる視座の獲得であり、訓練の賜物の画家からのこの世のひとつの見方である。
その中でこの宙をただよう紙のこしらえもの-紙のはかなさだけが-浮遊しているこの生物のようなpaperは、屁理屈を言わずとも、それだけでただ、美しい。