51にして惑うとにかく、惑う。なになと、惑う。いつも、惑う。秋吉久美子ではない、秋吉敏子を聴いていて惑う。同じ名前で敏子という娘はそういえば昔神奈川大学時代につき合った女性で優しく器の大きい娘だったなあ。神田川よろしく、いつも本を二人で読んでいたし、喫茶で語り合ったな。どしゃぶりの雨の雰囲気をよく覚えていて、坂を下りていくと彼女の小さな下宿があったのだが、今なら誰も住まないような学生のアパートだったな。もちろんそこにも庶民の幸せはあり、普通の人も暮らしていてよく夜に共同のトイレであったりもした。