『おれは母子家庭だから毎月八万は稼いで、その中で家賃や食費を賄う。奨学金で授業料を払い、成績は優良だ。』



そんな類の奴らが三人で、裕福そうだとおれを上から見下す。
おいわかったか(これが健全な学生だ)。いいよな金持ちは、と。



確かにその苦労は認める。
けれども、自分は苦学生だと主張して、健全な然るべき価値観だと押しつけるのは間違っていると思う。



考えがまとまらず、確かに親のスネをかじって生活しているおれは反論できなかった。



『新車をかってもらえる余裕があるのはいいよな。高い財布をかってもらえてうらやましいわ。』


そう言われて悔しかった。



高い財布は確かにおれが幼かった。あれはかってもらうものではなかった。
自分の小遣いでかってこそのステータスだし、それが大人を認識させる正当な手段だった。



車はさすがに遠慮した。
車がないとこれからの移動が大変だし、遊びにもいけないだろう、といってくれた。
だから祖父の使わなくなった車を譲ってもらった。



弟も社会人になることだし、車が足りない。だから車を買う必要がある。
どんくさい弟だし、初めは祖父の軽自動車にのるべきという結論になった。
おれは中古の安いやつでいいからと言ったが、母はどうせ私のものになるから新車がいいと、新車をかった。
実質は貸してもらっている状況だ。
大学を卒業すればもちろん返す。



言い訳がましくなった。
おれは一人暮らししている訳でもないし、学費を払ってもらってるわけでもない。



実質は家庭に高校時代程負担をかけていない。



それなのに一方的に自分の価値観を押し付けてくるのは違うと思う。
あたかも自分が健全で然るべき大学生だといわんばかりに。



なにが大人ということなのかを考えると、自分の力で、自分のお金で生活することだと思う。



だが経済力のない学生には限界がある。学外にも学ぶべきことはたくさんある。広い意味での自分への投資をしてもらい、社会にでてから恩返しをするつもりだ。



それがおれの価値観である。
良き先輩にとって後輩の指導は欠かせないものである



後輩の問題点のヒントを出し誘導せずに自身で悟らせるのが一番だ
しかし問題になかなか気づかず、独走してしまう後輩も少なくない



最終手段として直接1対1で話し合う
感情的にならずにアメとムチを使い分けることが重要だ



まず相手の良いところを誉めて、それから足りない所を気づかせる



挽回しようと努力している姿が見えれば合格
後味を良く、今後に生かせていきたくなるように話す



後輩も先輩になるときがくる
こうやって問題を指摘してあげて、良い関係を広げていくことだ
大学四年にもなって気づいたことがある



どんな些細なことにも理由はあるんじゃないかって



なんでサークルを立ち上げたのか
それも旅という一見謎のサークルを



理由は気の合う仲間とずっと一緒にいられるコミュニティーを作りたかったから
またそこでいろんな人に出会いたかったから
これが根底にある



そこから様々なメリットが生まれてきた



旅の道中やコテージでお互いの人生観を吐露しあい、時には感嘆し、時には侮蔑する
そんな中で各々の人生観が豊かになっていったり


思いつきのアイデアが実行でき、他では味わえない一風変わった楽しみも増える



そうやって仲良くなり人間関係を広げていくことで、大学生活が充実してくる



生活すべてのことに関係して大事なのは、胸の内をさらけ出せる人の数だ


だからこのサークルを立ち上げてよかったと思える